「夏の終わりのウィークエンド」。歌のタイトルに似ているかもしれませんが、今年の夏も楽しい思い出が作れましたでしょうか?北米は3連休となり、いよいよ新学期が始まります。そしてあっという間にクリスマスの声が聞こえてきます。1年という日々が加速度を上げて進んでいくのもこれから。そろそろギアを仕事モードに戻しましょうか?
では今日のつぶやきです。
金融市場のお仕事モードは?
なぜ、アメリカの株式市場は崩れないのでしょうか?日本市場とは全く違った熱気を持ち続けるのは日本が置いてきぼりを食らったのか、アメリカが異常なのか、まだ判断できません。しかし、9月前半は落ち着くかもしれません。これは「表面上」米中が交渉をしようという素振りを見せていること、英国のEU離脱に関し、英国議会が10月中旬まで開かれないから議論のしようがないこと、香港のデモにやや疲れが見えてきていることなどで不和のネタに蓋がされそうだからでしょうか。
今日発表されたカナダの第2四半期GDPは予想をはるかに上回る年率換算3.7%成長となりました。10月にカナダも利下げをするのではないかと見る専門家が多く、私も証券会社の担当から「お前はどう思う?」と聞かれたので「しぶしぶアメリカに付き合うだろうが、引き下げる真の要因はない」と答えたのは2-3週間前。今のところ、このコメントにさほど違和感はなさそうです。
で、9月になればアメリカの利下げの行方が着目されますが、トランプ大統領が0.25%ではどうしても満足しない気がします。いつもはFOMCの発表を待ってそれを台無しにする中国への締め付けを唐突に発表しますが、2度あることは3度あるなのか、戦略を変えてFOMCの前に爆弾を落とすのか、ここだけが全く予想できないカードのような気がします。
日韓のお仕事モードは?
「日本は着々」という感じがします。7月に輸出管理強化した半導体材料3品目のうち今回、フッ化水素がサムスン向けで許可が下りました。これはレジストに次ぐ2品目目となり、日本の主張する「問題がなければ許可をする」というスタンスを踏襲しています。一部からは半導体の輸出強化に対して韓国企業側にもう切迫感はないというコメントも見られ、「ほら、ちゃんとしていれば何もないでしょ」ということをきちんと示しています。
一方の韓国側のお仕事モードは夏休みにちょっとやりすぎちゃったと思い始め、一部の人は振り上げたこぶしが下がり気味ですが文大統領は下げられなくなっています。一番困っているのがやんちゃをし過ぎたGSOMIA。あの判断は「世紀の大間違い」でオセロゲームで石がそっくりひっくり返ってしまいました。個人的には日韓バトルはテンションが今後、下がっていくとみています。
ところで枝野さんも奇妙な発言をしたものです。その発言の翌日の記事を読んで「あれー、この人どうしちゃったのだろう」と思ったのですが、その後、猛批判を受けたようです。想像ですが、枝野さんは河野さんがタイプ的にお好きではないのかもしれません。河野さんは不器用な面があって政治家独特の滑らかさがなく、どちらかといえば「専門家肌」です。外相としては有能ですが一時あった次期首相候補にはふさわしくないでしょう。それでも枝野さんにはそんな河野さんの非政治家的な外相がどうしても気になるのでしょう。ですが、枝野さん、それでは器量に乏しいと思われませんか?
楽天のお仕事は間に合わないのか?
10月1日からサービスを開始する第4の携帯会社、楽天。そこに暗雲が漂っています。ずばり申し上げると基地局の整備が間に合わない可能性が取りざたされています。今週、総務省から3度目の行政指導を受けました。書面内容は「間に合うのかね?ちゃんと約束は果たしてもらうからな」といったところであります。
なぜ、基地局整備が遅れているのか、二つの理由があると思います。一つは基地局業者がユニークすぎました。台湾のクアンタ クラウド テクノロジー社の汎用サーバーにアメリカのアルティオスター ネットワークのソフトウェアを組み合わせたのです。一般的にはエリクソン、ノキア、ファーウェイクラスを採用する中でコストカットの大冒険をしたのです。
もう一つは楽天業務スピードとこの新外国業者の時間感性の違いでしょうか?日経ビジネスには通常3か月かかる工事を楽天標準の1か月を押し付けていると書かれています。もう一つ言うならドコモもKDDIもニヤニヤしていて手を貸さないいやらしさもあるのでしょう。
三木谷さん、今回も苦労すると思います。すでに10月開始時点ではサービスは限定的になるかも、と噂されていますが、マーケティングとは客の信頼があってこそ意味があるのです。信頼を損ねるマーケティングならやらない方がいいと私は常々声を大にして言っています。大風呂敷を少し畳んでちっちゃくスタートし、試行錯誤をして大失敗を避けた方がよい気がします。もちろん、達成できるならそれに越したことはありません。秘策を期待しましょうか?
後記
池袋の自動車暴走事故に対して被害者の一人が集めた加害者への厳罰を求める署名が29万人分集まったと報じられています。個人的には厳罰では何か違うと思うのです。加害者への厳罰を言うなら高齢者ですし、たかが知れています。そんなことよりもこのような事故が既に多数起きていたのにそれを減らせなかった社会へのボイスとするべきではないでしょうか?いるんですよ、爺さんになると頑固になって「俺が運転できないわけないだろー」っていう方。しかも田舎ならともかく、都会のデパートやスーパーへの買い物目的です。我々は社会の意識を変えるべきだと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年8月31日の記事より転載させていただきました。