ネットで必死に悪口を言う人はリスク・リターンの感覚がゼロ

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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ネットで記事を書いていると、書いた記事や書いた人への誹謗中傷をする人を見かけます。少しは知られるようになったと喜ぶべきか、私の元にも多くはないですがそのようなコメントが送られてくることがあります。

ac work/写真AC(編集部)

コメントが来るたびに感じるのは、「貴重な時間とエネルギーを使って、リスクしかないことをよくやるな」という不思議な感覚です。私は時間はお金より貴重なものという価値観を持っていて、持てる時間は自分にメリットがあること、ビジネス、それから楽しいと感じる事以外には使いたくないので、わざわざ時間を使って他人を攻撃する人の思考をいつも不思議に感じます。

時々、攻撃を受けるTwitterアカウントからも発信!

世の中はリスクとリターンの法則に縛られている

この世の中はリスクとリターンの法則に縛られています。このようなことを言うと、投資の世界の話のように感じるかも知れませんが、これは投資に限った話ではありません。

・怖そうでとっつきづらい人に思い切って話しかけたら、ものすごくいい人でとてもよい交流をする仲になった。

・フラれる覚悟で突撃したら、思いの外うまくいって本格的な交際が始まった。

・旅行先で、観光地のレストランではなく、ガイドブックに載っていないお店に飛び込んだら、実は現地の人に人気の超優良店だった。

・大雨が降っていたが、構わず人気観光地にでかけたらほとんど混雑していなくて、かえって快適に楽しめた。

などなど、身近なところにリスクとリターンはたくさんあります。

話を戻すと、人の誹謗中傷をする人も「見知らぬ相手を攻撃する」というリスクを取っていると言えます。その観点で話を進めていきます。

悪口にもメリットは存在する?

ネットで誰かの悪口を言う、私はそのことを糾弾したいわけではありません。

正直、自分の作品に悪口やNGコメントが寄せられると、落ち込むことはゼロではありません。が、市場からのフィードバックと受け止めるなら、次善につなげる絶好のチャンスとなるわけですので、フィードバックをくれた相手に腹を立てるのではなく、「ありがとう」と言わねばならないとすら思っています。

それがたとえ、中身のない不満だったとしても「なるほど、満足している人と、不満をいだいている人の比率はこのくらいなのか」という満足度に対する指標と捉えると、悪口を言われることにも、プラスの要素を見出す事になります。

また、ネガティブなコメントがネットの海にあることで、意見の多様性という貢献になるとも言えます。私はなにか物事を見る時に、すべての人がそのモノを賛同し、ポジティブな意見を発しているのを見ると「これはサクラなのでは?」と穿った見方をしてしまいます。

世の中に完璧なものは何一つ存在せず、どんなものにも光と闇があるので、すべてが肯定的な意見しかないと、逆に「この評価は作られたものでは?」と疑いを持ってしまうのです。

悪口を言う側はハイリスク・ノーリターン

さて、ここまで話を進めた上で今度は「悪口を言う側のメリット」を考えてみることにします。ここでいう「悪口」とは、建設的批判に該当するものではなく、「自分の不満を吐き出し、”これは不満である”という以外の価値ある情報が含まれていないコメント」と定義することにします。

そして、世の中にメリットのない事をする人は誰一人いない事を考えると、「誰かの悪口を言う」という行動は、自分の鬱憤を晴らすという彼らなりのメリットを享受していると考えるとしっくり来ます。

が、その鬱憤を晴らすという彼らなりのメリットは、悪口を言うことで負ってしまうリスクほど大きいと思えません。以前にプロ野球選手の奥さんをネットで中傷した人が訴えられ、200万円の請求がされたというニュースが話題になりました。

訴えられた側は「まさかこのようになるとは思わなかった」と答えたそうですが、人を中傷するという行為は高いリスクを負っています。特にネットは対面による口頭で浴びせるものではありませんから、思いっきりログが残ってしまいます。

私はこれまで送られてきた中傷を見返してみると、「お前の書いた記事で気分を害した。オレに慰謝料払え」とか、「土下座して謝れ」といったものがありました。私は法律の専門家でないのでハッキリわかりませんが、前者は脅迫、後者は強要罪が適用されるのではないかと思います。つまり、私を中傷した人は私から訴えられるリスクを負っているわけです(もちろん、こんな事でいちいち騒ぎ立てるつもりはないですが 笑)。

それでいて得られるメリットが「うっぷんを晴らせた」というものでは、まったくリスクに見合うリターンになっていないと感じます。「うっぷんは悪口を言うことでしか晴らせない特性がある」というなら話は別ですが、ネットで映画をみたり、漫画を読んで寝る方が圧倒的に気分はスッキリできます。となると、ますますリスクを負って悪口を言う行為をする意味が理解できないのです。

となると、導き出された結論は「彼らはリスクの存在を認識できていない」というものしか考えられません。悪口を発信する前に「この内容を送ると、相手が訴えると法的に◯◯という罪で罰せられるリスクを負います」と警告が出るなら、多分止めるのではないでしょうか。

ネットの中傷は、AIが悪口を自動識別をして警告を発するシステムが登場すると、かなり減るのではないかと個人的に感じます。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。