新内閣の顔ぶれを分析してみた。まず、学歴だと日本での最終大学でいうと東大、慶応、早稲田が3ずつ、法政が2、京都、神戸、学習院、成蹊、明治、成城、関東学院、大分、それに高卒が1人だ。
東大の1人というのはやや少なく、官僚出身者も財務、経産、国土交通がそれぞれ1人で数字としては冷遇された感じがある。
一方、広い意味での留学経験者が10人いて、これは顕著な特色だ。日本の学歴が意味をなさなくなっていると言うことか。
選挙区を見ると、神奈川県の5人というのが突出している。ある意味では菅官房長官は法政出身2人も含めて“大勝利”だ。
それも含めて、関東8(東京2、栃木)、九州5(福岡2、大分、長崎、宮崎)、中国3(山口、広島、岡山)、近畿3(兵庫)、北海道1で、東北、北信越、東海、四国はゼロだ。
全般的には要所には、経験豊かで安心できる熟練した実力者を充て、かつ、将来のホープである小泉進次郎氏も含めて後継者づくりに熱心でないという批判に応え、首相が目標とする改憲にエネルギーを噴出できる元気な人をそろえ、あとは、新人で身体検査に合格した手堅い人をそろえたといったところか。
そして、間違っても韓国に誤ったメッセージを与えないように配慮したといえる。清新さに欠けるという印象にならないように小泉氏を入れ、女性も2人に増やして「努力」をした姿勢を示した。
八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授