日本のビジネス慣習の中で、絶対になくした方が良いと思うものは、はんこです。
例えば、不動産取引の契約書類は、実印を押して行われています。はんこによって契約の正当性を担保する仕組みです。
実印ならまだしも、請求書のやり取りもハンコを押して郵送しないと受け取らない会社もあります。認印を押して封筒に入れて郵送するのは、無駄以外の何者でもありません。
新しい安倍内閣の科学技術・IT担当大臣に竹本直一氏が就任しましたが、ネット上で驚きの発言を見つけました。
「行政手続きの『デジタル化』と書面に押印する日本古来の『はんこ文化』の両立を目指す」
という何とも時代錯誤のコメントです。実は、竹本大臣は、去年発足した「日本の印章制度・文化を守る議員連盟(通称:はんこ議連)」の会長だというのです。
デジタル化とはんこ文化は、両立するものではありません。はんこが必要な書類のやり取りを郵送やミーティングをしながらやっている間に、仕事のスピード感はどんどん落ちていきます。
また、代理の人がいないと、海外にいると書類を受け取ることができませんから、更にタイムロスしてしまいます。
ハンコ文化は、商取引からは一刻も早く無くすべきものなのです。
自然年齢だけで決めつけるのは失礼かもしれませんが、80歳近い政治家に国のIT政策の舵取りを任せること自体、何だか無理があります。
お飾りの大臣なのかもしれませんが、日本経済にとってマイナスになるとしか思えない大臣の任命は避けて欲しいものです。安倍首相の手腕は歴代首相の中では、図抜けていると思っているだけに、今回の件は残念です。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年9月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。