売り手が顧客を選ぶ「銀座ビジネス」

今週、たまたま銀座に出かける機会が、何回かありました。そこで改めて気がついたのは、銀座の商売は一般の商慣習とは別物であることです。

世界的な高級時計を扱う老舗の時計専門店では、店頭に展示してある時計のほとんどが、交渉中の札を付けられ、購入出来ないかのようになっていました。

ところが、店員さんと話が盛り上がると、その中の一部を売っても良いと言うのです。

どうやら、顧客の顔を見て、どの商品を売るか品定めしているようです。近くには、団体の外国人観光客のバスが止まることもあるのかもしれません。

また、別の日に出かけた、世界的な高級ブランドのタワーの8階には、個室のパーティルームがあります(写真)。セキュリティがかかっていて、予約した顧客以外はアクセスすることができません。

こちらの施設も、一般にはほとんど宣伝されておらず、利用者のほとんどは、紹介です。

低価格の施設ではありませんから、誰でも利用できるものではありません。しかし、お金さえ払えば、誰でも使えるものでもありません。今回も、特別な方からの紹介で、担当者を紹介してもらい、予約して中に入れてもらうことができました。

銀座には、このように売り手が顧客を選んで商売をしているお店がたくさんあります。無理に売らなくても、買い手がさばききれないほどいるので、優良な顧客だけを選別することができるのです。

それが、またそのお店のステイタスとなって、価値を高めていくことになります。

高飛車なビジネスと思うかもしれませんが、銀座の店を構えるブランドの価値とはこのようにして、長期に維持されていくのだと実感しました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年9月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。