森ゆうこ参議院議員の「国家戦略特区ワーキンググループ 何が問題か」連続ツイートについての連載。今回でいったん最終回だ。
もちろん、また新たなツイートがなされるなど必要が生じれば、さらに続ける。
「コンサル的業務をしても、問題ない」とした者は、特区WGや内閣府には存在しない。連載②の6と同じ。
提案は、「審査・選定」しない。特区WGも、分科会も、それ以外の誰もしない。連載③の12と同じ。
国家戦略特区には、「規制改革」とは別に、「事業者認定」のプロセスがある。これらを混同している。
(詳しくは以下参照)
10 月 11 日の国家戦略特区に関する毎日新聞記事について(国家戦略特区諮問会議民間議員 特区ワーキンググループ座長 八田達夫)
一行目: 繰り返しだが、「審査・選定」は行っていない。「提案業者にコンサル的業務」が問題ないとした者は、特区WGや内閣府には存在しない。
二行目: 連載①で述べたとおり。森議員には、私が行ったどの行為が「国家公務員だったらあっせん利得、収賄で刑罰を受ける」ことになるのか、事実に基づき、ツイッターで精緻に説明いただきたい。
6月11日の毎日新聞記事では、「特区制度に詳しい恒川隆生・静岡大名誉教授(行政法)の話」として、「原英史氏が公務員なら収賄罪に問われる可能性もある」と記載されていた。
しかし、私との訴訟で毎日新聞はどう言っているか。なんと、この記載では「事実の断定は一切なされていない」との主張だ(8月26日口頭弁論での答弁書)。
ネタ元はとっくに撤退済みなのだ。
森議員に対しては少しだけ、「毎日新聞に騙されて気の毒」と思わないでもない。だが、それで許容されうる限界は、とっくに大きく踏み越えた。
それはともかく、今回の人権侵害の元凶が毎日新聞だったことは、否定する余地がない。
ところが、毎日新聞では、10月15日参議院予算委員会で森議員が「(私が)国家公務員だったらあっせん利得、収賄で刑罰を受ける(行為をした)」と発言したことが報じられてもいない。一切口をつぐんでいるのはどうしたことか。
毎日新聞社は、私との訴訟では、6月11日記事は「一般読者のふつうの注意と読み方」によれば、私が金銭を受け取ったと理解されるはずがない、と主張している。
もし本気でそう思っているならば、毎日新聞社は直ちに森議員に抗議し、発言訂正を求め、経過をきちんと紙面で報じるべきだ。
自らの記事のとんでもない“誤読”が、社会的に大きな影響力を持つ国会議員によって拡散されている。報道機関の責務として、これを放置してはならない。
一方、もし毎日新聞社が、「本当は自社に落ち度があった」とわかっているならば、早急にそれを明らかにし、責任をとらなければならない。私に対する深刻な人権侵害のみならず、森議員はじめ国会全体にまで迷惑をかける事態になっている。もういい加減、けじめをつけるべきだ。
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原 英史
1966年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理などを務める。著書に『岩盤規制 ~誰が成長を阻むのか』(新潮新書)など。
編集部より:この記事は原英史氏のFacebook投稿をベースに一部加筆・作成されました。