共産党の「2022年までに野党連合政権」構想の実現可能性

共産党が懸命に変身しようとしていることは十分に伝わってくるが、それでも共産党が本気で野党連合政権の樹立を目指している、という話を聞くと驚いてしまう。

党大会で2022年までの民主連合政権構想を唱える小池書記局長(日本共産党YouTube:編集部引用)

共産党の調査力や政権批判の舌鋒の鋭さには一目を置いているが、しかし共産党に政権担当能力があるとは思えないし、共産党と政権を共にしたいと考える国会議員が日本の国会議員の多数を占める日が来るとも思えない。

共産党が共産主義を放棄するはずがないから、資本主義経済や民主主義や自由主義に馴染んでいるその他の政党と政権を共に出来るはずがないだろうというのが、共産党の内実を知らない私の率直な感想である。

天皇制を廃止して共和制の政体を目指しているはずの共産党の党是をどうするのだろうか。
天皇の即位の儀式にさえ出席することを逡巡する共産党が、そう簡単に他の政党と折り合うことが出来るのだろうか。
反米、親共産国家の共産党の外交や防衛の基本方針は、野党連合政権ではどうなってしまうのだろうか。

花火を打ち上げるのはいいが、どうも実現可能性はなさそうだ。

野党の中では共産党との選挙協力を望んでおられる方もそれなりにおられるだろうが、それはあくまで目先の選挙を勝ち抜くための方便の一つで、共産党と一緒に政権を担っていこうという確たる政治信条や政治理念に基づくものではなさそうだ。

小選挙区制選挙では何が起きるか分からないところがあるからそれぞれの政党がどういう政権構想を描こうが自由ではあるが、共産党を中に入れての野党連合政権などまずあり得ないだろう、というのが私の率直な感想である。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年11月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。