これは私の個人的な好みかもしれませんが、起業家や政治家はユニークで読ませる内容が多く、大企業経営者や官僚は凡庸で退屈な人が多いのです。
それは恐らく前者の人たちの方が人生の起伏が激しく、ドラマチックで、そんな生き様に憧れてしまうからなのかもしれません。
今月連載しているファンケル会長の池森賢二さんの私の履歴書(写真)は、まさに起業家の本領発揮。毎回ぐいぐいと引き込まれていきます。
今日は、友人と共同で始めた会社が潰れ、借金を抱え、兄のクリーニング店で手伝いを始めた時の話が書かれていますが、営業の基本を学ぶことができる素晴らし内容です。
まず、営業に大切なのは「信用」です。初日に白衣と蝶ネクタイで身だしなみを整え、都営住宅の管理人に菓子折を渡す。
そして、「Give&Give」の考え方で、最初からガツガツ営業しない。一戸一戸に文房具のプレゼントをして挨拶して回ると、面白いようにクリーニングの依頼があったそうです。
さらに、顧客のニーズを聞き「問題解決」することです。仕事帰りにクリーニング店が閉まっているという利用者の不満を知り、それを解消するために、夜の自宅への集配を始める。持ち込みと同じ料金でやることをチラシで宣伝して、売り上げを伸ばしていきます。
しかも、夜中まで猛烈に働き、手の空いた日は風呂やガス窯の掃除まで請け負うという「長時間」のハードワークです。
営業で実績をあげるには、正しい方法で、長時間続ける。そうすれば、「高密度×長時間」という掛け算によって、売り上げを最大にすることができるのです。
それが普通の営業マンの20倍稼ぐこともあったという、とてつもない営業実績につながりました。
今回の連載は、営業の仕事をしている人や、起業して自分で仕事を取って来なければならない人は、必見の内容です。
この経験が、これからのファンケルの創業にどうつながっていくのか、今後の展開がとても楽しみです。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年11月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。