サンモニで青木理氏が田中秀征氏に説教されあ然

八幡 和郎

11月10日の「サンデーモーニング」(TBS)で、いまや文在寅政権の報道官に就任するかという冗談も出るほど重宝されている青木理氏が、ミニ黒板を使い徴用工問題などについて説明した。要するに1965年の日韓基本条約は、韓国が弱い立場の時代に結ばれた不平等な条約だから、あらためて、おまけを付けるべく日韓両政府で話合うべきというわけであった。(ビデオの20分過ぎから)

TBS「サンデーモーニング」(11月10日放送より)

ところが、感想を求められた田中秀征氏が、青木氏は知っているはずなのにいわなかったが、盧武鉉時代の2005年にこの問題を改めて再検討して、解決済みだということになった。それを飛び上がらんばかりに喜んだのに、盧武鉉政権の幹部だった文在寅大統領が蒸し返すのは残念で、自分は安倍首相に近い立場だ、きっぱりとした態度で臨むべきとお説教。(ビデオの26分過ぎから)

TBS「サンデーモーニング」(11月10日放送より)

田中氏の意見はしごく客観的だと思うが、視聴者もあ然だった。

ありがとう、「反日国家」韓国 – 文在寅は〝最高の大統領〟である! 』(ワニブックス)では、当時の関係者などからもヒアリングをした上で、日本が社会党系も含めた世論の支持の下で、対韓請求権を主張し、差し引き払ってもらうのは日本側だと一貫して主張した。

しかし、李承晩ラインで拿捕された漁民を、不当な裁判で言い渡された刑期を送らされ、さらに、刑期が終わっても返してもらえずに人質に取られて泣く泣く結んだ不平等条約だということを詳細に明らかにした。

また、ポツダム宣言では、在韓日本人の退去は予定されていなかったのに、トルーマン大統領によって着の身着のままで追い出され財産は韓国政府が横取りしたのに対して、在日韓国人は特別永住者として認めるという不平等条約であった。

とくに、いまとなっては、生活保護を広く外国人にも支給しているが、当時にあっては支給していなかったから、それを認めたのは非常なる特権付与であった。

私は在日韓国人の日本の文化と経済への貢献も積極的に評価すべきだという立場だが、やはり公平という観点からはおかしい話なのだ。

それを日本人はきっちり認識した上で、韓国へどう向き合うか考えないと真の日韓友好はないと思う。

八幡 和郎
八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授