東京大学大学院情報学環・学際情報学府の大澤昇平氏・特任准教授がツイッターで、自ら経営するAI事業会社の採用をめぐり、「中国人は採用しません」「そもそも中国人って時点で面接に呼びません。書類で落とします」などと投稿したことが左派を中心に「差別」だと非難され、ここ数日、ネットで炎上している。
事態を重く見た大学側は、越塚登・情報学環長・学際情報学府長が24日、大学の公式サイトに「学環・学府特任准教授の不適切な書き込みに関する見解」をアップ。大学の構成員に多様性の認識を求め、国籍等の差別を戒めた大学の活動を保障するなど大学の理念を綴った憲章を引用した上で、
学環・学府は、この理念に則り、国籍はもとより、あらゆる形態の差別や不寛容を許さず、すべての人に開かれた組織であることを保障いたします。学環・学府構成員から、こうした書き込みがなされたことをたいへん遺憾に思い、またそれにより不快に感じられた皆様に深くお詫び申し上げます。
などと謝罪した。
越塚氏の見解では、大澤氏に対する処分等の見通しは示されなかったが、大澤氏が担当する「情報経済 AI ソリューション」講座を寄付したマネックス証券も、大学側の見解を受けて、24日に緊急声明文を発表。「元来ダイバーシティを尊重する」という自社の理念に反したことから、
本特任准教授の価値観は到底受け入れられるものではなく、書き込みの内容及び現在の状況に関し て、極めて遺憾であります。
などと強烈な不快感を示し、講座寄付を取りやめることを明らかにした。堪忍袋の緒が切れた格好ともいえ、同社の清明祐子社長はツイッターでも「一連の件は当社の価値観に合わず誠に遺憾です」と表明した。
大澤氏は今年9月に初の著書「AI救国論」を出したばかりだが、同書やDaisy社HPのプロフィールによると、1987年福島県生まれ。19歳の時に、独立行政法人 情報処理推進機構の人材発掘プロジェクト「未踏スーパークリエータ」に認定された。東大では人工知能とウェブに関する博士号を取得し、IBM基礎研究所へ。現在は、東大特任准教授とDaisy代表取締役CEOを兼任しているという。