野党の中では最も強力な選挙基盤を持っている、ということで高知県の知事選挙に共産党の党員の方を野党統一候補として担ぎ出したのだろうが、どう見てもこれは間違い。
共産党の首長でもそれなりに実績を挙げておられる方もいるから、共産党員だからダメだ、などとは一概に言えないのだが、余程の実績がある人でないと保守層にまで食い込むことは出来ない。
日本の政治を変えていくためには地方から、というのは、確かに戦略的に正しいだろうと思っている。
明石の市長のように、大方の市民から評価されるような先進的市政を実現している市長がいることは間違いない。東京の世田谷区長の保坂展人もその一人だろう。
首長のリーダーシップ一つで地方行政の現場の在り方が大きく変わることがある。
旧民主党の元国会議員の方々が首長選挙に転進し、それなりに成功していることは、否定出来ない事実である。
万年野党でいるよりは、首長として地方行政の現場で存分に力を発揮してみたい、と思われるのは自然のことである。
しかし、国政の場で力を発揮しようとしている野党の方々が、野党間の選挙協力体制を構築するための一つの作戦として首長選挙に共産党の候補者を担ぎ上げようとしているのはどうも本末転倒のような気がしている。
まあ、共産党との一体化も辞さない勢いの立憲民主党ならいざしらず、共産党とは一線を画しているはずの国民民主党まで高知県知事選挙で共産党の候補者の支援に回ったのは、どこかおかしい。
保守層にまで支持を広げるのだったら、ここは国民民主党が主導権を握るべきだったと思うのだが…。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。