「ダイエットに筋トレ」が決して万能ではない理由

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

こちらの記事でご紹介した通り、1週間に2回、1ヶ月に8回ペースでコツコツジムで筋トレをしています。筋トレをし始めたのは、

・健全なメンタル醸成
・ダイエット
・体力づくり

という複数の目的を達成するためです。まだ初めて2ヶ月ちょっとですが、確実に筋肉は太く、大きくなってきました。マシンの重量のメモリを少しずつ上げていっています。

acworks/写真AC(編集部)

が結論を言えば失敗です。筋肉は太りましたが、体重も増えました。「筋トレをしているのだから、多少好きに食べても大丈夫だろう」という、筋トレへの間違った信仰がその背景にあります。己の認識の甘さに猛省するとともに、この2ヶ月間の体験を経て得られた知見をシェアします。

筋トレをしても戦略をミスると太る

筋トレは一度もサボらず、コツコツ地道に取り組んできました。が、理想的な体型獲得の上で、その成果は芳しいとは言えません。私は173cmで昨年は63kgだったのですが、その後は体重は着実に増え続けて、ついには超えてはならない70kgのラインを突破してしまいました。

「筋トレさえしていれば痩せるだろう」
「筋肉は脂肪より重いので、体重が増えても仕方がない」

という、精神的な慰めをしても結果は改善されません。新たな戦略を構築し、実現可能なプランを策定した上で着実に痩せることを決意しました。システマティックに、ロジカルに行動することで、「90日間で7kg痩せる」という目標を立てます。

▲筆者が通っている市営のジム。筋トレマシンが充実していて、1回わずか300円。

ダイエットをするためのファーストステップは「因数分解」

筋トレをしているのに、体重が増えてしまった。このような状況に直面すると「もう年だから代謝が落ちているんだな」とか、「とにかく運動しなきゃ!」と焦ってしまいがちです。しかし効果の薄いことへ努力を投下しても思うような結果を得ることはできません。まずは注力するべきポイントを発見することをしていきます。そのために必要なのは問題の因数分解です。

たとえば寝る直前にガッツリ食べて就寝をする習慣がある人は、「食事タイミング」をズラすだけで体重を減らせる可能性があります。分析的に原因を見なければ、「痩せたいとにかく食べる量を減らそう!」とムリな食事制限などをして頑張るけど、寝る直前に食べるという習慣を改めないために、苦労の割には結果が伴わない、という残念な現実に直面することになるでしょう。

だからこそ、上述したようにまず、複数の因子に因数分解することがファーストステップです。私が筋トレをしているにも関わらず、太ってしまったので、まずは体重が増えてしまう因子を俯瞰することからはじめました。

<カロリー摂取と消費>

【食事(カロリー摂取)】
・食事内容
  (朝食)
(昼食)
(夕食)
 ・食事タイミング

【運動(カロリー消費)】
 ・日常行動
 ・筋トレ、運動など

これを自分の食習慣、生活習慣に当てはめると次のようになります。
赤字が筆者の習慣。

<カロリー摂取と消費>

【食事(カロリー摂取)】
・食事内容
  (朝食)フルーツのみ
(昼食)メイン+デザート
(夕食)メイン+デザート
 ・食事タイミング 夕食は19時までに終える

【運動(カロリー消費)】
 ・日常行動 カロリー消費量少ない
 ・筋トレ、運動など 2日の筋トレのみ

となりました。食事タイミングは早いので、問題はなさそうです。また、カロリー消費も昔から激しい運動などはしたことがなく、従来の習慣からは大きな変化はありません。

問題は昼食と夕食のデザートの存在です。筋トレをスタートしたことで、「食事量が増えても、筋トレをしているのだから多少食べても太らないだろう」という慢心が生まれたのです。それにより、以前は食べなかった「食後のデザート」の悪習慣が始まりました。今回はデザートによる摂取カロリーが、筋トレで消費するカロリー消費量を上回ったことが原因と結論づけました。

このように要因を洗い出し、因数分解することでメスをいれるべき課題が浮き彫りになります。この手法はダイエット以外にビジネスでも、英語学習でもなんでも応用できると思います。

軽い一口が重い結果に

食後のデザートに口に入れていたのは、生ケーキ、菓子パン、お菓子です。これらが体重を増加させた原因であることは明らかです。メインの食事は野菜や食物繊維を豊富に取っていたので、過剰なカロリー摂取はないと思います。が、問題はデザートです。ひどい時には、ケーキと菓子パンの両方を食べるという体たらく。メインの食事の他に1,000kcalものエクストラのエネルギーを摂取していました。こうしたデザートは山盛りの脂肪、糖質、添加物、そして大きなカロリーを摂ることになります。内臓への負担は大きいのに、脳が糖分の誘いに侵されてしまうことで、ついつい甘いものに手が伸びてしまうのです。

頻繁に甘いものを食べると、食後のデザートがなければ食事が完結した気になりません。悪い食習慣が作られてしまい、「軽い一口」が「重い結果」を呼ぶことになりました。こうして、食後のデザートで得たカロリーの積み上げが、今の残念な結果を招いたと考えます。 

悪習慣は新習慣で上書き保存

悪い習慣は新たな習慣で上書き保存をすることでしか解決できません。

まず、食後のデザートはすべてカット。食後はすぐに歯を磨いてしまう、という新たな習慣で上書き保存をします。また、緩慢な変化のさなかで問題が肥大化する前に気づくためにも、毎日体重を測ってアプリに記録することにします。問題が発生したら即座に対応するアジリティを確保します。

▲早速、アプリをiPhoneにインストールしました。

また、ダイエットが難しい最大の要因は「食べたい」という原始的欲求によるものです。人間の3大欲求の中でも、最大級の強さを誇る食欲に打ち勝つのは簡単なことではありません。ですので、メインの食事を終えた後にどうしても強烈な食欲が襲ってきた場合は、「食べたいけど食べない」ではなく「食べても問題ないものを食べる」という行動を取ります。

そこで選んだのはミューズリーです。安い、健康、手軽、というものでgあたりのカロリーは小さくないですが、繊維が多いのでそもそもたくさん食べられません。さらには完全に乾燥しているので保存性にも優れ、モビリティも抜群です。食後のデザートに生ケーキや菓子パンを食べる代わりに、どうしても食欲に負けそうな時には、これを食べることにします。なんならドライフルーツを加えて、夜食を完全にミューズリーに置き換えてもいいかもしれません。

▲思い立った1分後にAmazonで注文しました。ダイエットもビジネスも行動力が命!

これで様子を見てみます。緩慢に増加した体重は緩慢にしか減らせません。険しい長期戦を乗り越えるために、新たな戦略を構築できたので、後は行動を毎日コツコツ積み上げていきます。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

■無料で不定期配信している「黒坂岳央の公式メールマガジン」。ためになる情報や、読者限定企画、イベントのご案内、非公開動画や音声も配信します。

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。