使い勝手の悪い「50G(フィフティジー)」にならないために

内藤 忍

味の素が50歳以上の管理職から希望退職者を100人募集すると発表し、話題になっています。

コンサルタントの横山信弘氏は、50代の「働かないおじさん」を50G(フィフティジー)と名付けています。携帯の5G(ファイブジー)とは対照的に、破壊的現状維持をもたらす実質貢献度マイナスの存在です。

OFF/写真AC(編集部)

同世代の同じ男性として、50Gにならないために、どうしたら良いか考えてみました。

まず、年功序列の発想を捨てることです。

未だに年齢を聞いて、年上か年下かで態度を変える人がいます。年齢を重ねることによる経験には敬意を払うべきですが、年齢に関係ない努力や才能にもそれ以上のリスペクトがあって然るべきです。

私は、年齢に関係なく、相手のことは「さん付け」で呼ぶようにしています。若いというだけで「〇〇君」とか呼び捨てにするのは、考えてみればおかしな話です。

次に、過去の成功体験にとらわれないことです。

若手に自分が20代、30代の頃の武勇伝を語ったところで、役に立つことはあまりありません。ネットを使いこなし、変化が激しい時代に生きている若者に自分の過去を語ることは、彼らからすれば迷惑なのです。現状に満足していないからといって、過去の栄光に逃げてはいけません。

そして、ネガティブ思考から、ポジティブ思考に発想を切り替えることも大切です。

働かないおじさんの共通点は、対案もないくせに、人の仕事にはあれこれネガティブな難癖をつけること。そして、自分の仕事については、リスクばかり強調し、やらない言い訳ばかりしています。そんな、ネガティブな「評論家」に人は寄ってきません。

否定をするのではなく、どうやったら成功するのかを建設的に考える。やらない言い訳ではなく、どうしたらやれるのかの具体的な方法を考える。そんなポジティブな姿勢が、周囲の人を巻き込み、結果を生みだしていくのです。

本来、自然年齢はその人の可能性とは無関係なはずです。本件のように、年齢を尺度に、大切な社員を切り捨てる人事政策にも問題があると考えます。

今更遅いと諦めるのではなく、改善の伸び代無限大と前向きに考え、意識改革して行動を始めることで、大企業を見返してやる。そんな心意気の同世代が、これからもっと増えてくることを期待しています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年12月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。