こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka
「自分がよく連絡を取り合う、5人の友人の平均年収が自分の年収」
という言葉があります。「優秀な人と付き合うことで自分のレベルが引き上げられるので、そういう人と付き合いましょう!」と奨励している人もいて、たしかにそう感じる部分はあります。私自身も、付き合う人によってかなり大きな影響を受け、人生を好転させることができた経験があります。
が、むやみに優秀な人を追いかけるだけで、無条件に成長できるわけではないのです。
優秀な人を周りに置くと、間違いなく成長する。そしてチャンスもたくさん来る。ぶっちゃけ、そういう人たちから仕事を受け取り、それをこなすだけでも生きていける。メリット多し。
…が、落とし穴もある。優秀すぎる人を見てると「それに引き換え自分は…」と自己嫌悪に陥ることがあるって話。
— 黒坂 岳央@英語多読講師・経営者・作家・講演家 (@takeokurosaka) December 4, 2019
優秀な人を見ると自己嫌悪する
これはその人の気質によるところも大きいのですが、優秀な人を間近に置いておくと自己嫌悪する瞬間が訪れます。
たとえば参考にしているブログ、Twitter、YouTubeをお気に入り登録している人は多いと思います。フォローする相手というのは、大抵の場合、「将来自分がそうなりたい」と感じる対象である傾向があるでしょう。自分は道半ば、フォロー相手はすでに達成している。こうした関係が成り立つ場合において、よくあるのが「自分がフォローしている相手が、圧倒的な行動量と成果を上げていて、眼前にその戦果を突きつけられるように感じる」というケースです。
自分がポジティブなメンタルをしていれば、「負けていられないな。自分も頑張ろう!」と奮い立たせる起爆剤になりえるのですが、物事がうまくいかない段階でそうした人達を見ると「彼らはすごいな。それに引き換え自分は…」と落ち込んでしまうのです。
優秀な人から学べる点は多いです。が、同時に自分のできなさ具合を強く実感することもなることに注意が必要です。
優秀な人と付き合うには優秀さが必須
物見遊山的な思考で「優秀な人に興味がある」ということならいざしらず、大抵の場合は相手からポジティブな影響を得たいとか、思考やスキルを得たいという、メリットを求めている場合が多いのではないでしょうか。
コミュニケーションを取らず、遠くから相手を見ているだけの関係であれば難しくはありません。Twitterなどであれば、フォローするボタンを押すだけです。が、より親密な距離で一緒にビジネスをしたり、仲良くなるというなら途端に難易度は跳ね上がります。
私は億を稼ぐ社長たちとビジネスや投資をしてきた経験があります。その経験を一冊の本に込めて商業出版しています。
詳しい解説は本書におまかせするとして、優秀な人とビジネスをすることの大変さを、ここでお話しておきたいと思います。
「優秀な人と付き合ってメリットを得たい」と考える人は少なくないでしょう。実際、彼らとお付き合いをすると「これ、よければ一緒にやりませんか?」という魅力的なビジネスオファーが来ることがあります。私も過去に何度も経験しました。正直、こうした人から受け取る仕事をこなすだけで、食べていけるくらいに稼ぐことができます。
が、問題はそれをこなせたら、という条件がついていることです。よくも悪くも彼らは常人とはかけ離れたスピード感、思考、行動力、メンタルの強さを持っています。ですので、彼らのレベルに達しない段階でコラボをやると、ついていくのがかなり大変なのです。
「いついつまでに、この資料を元にこれを作成してもらえますか?」と言われたりするのですが、その分量たるやすさまじいものだったり、納期が異常に短かったりするのです。普通の人だと徹夜をしても、資料を読み込んで理解するのが精一杯、みたいな感じでしょうか。
私も過去にIT企業を経営する年収2億円超の社長から、「あまりご負担を掛けたくないので、この範囲でいいのでお願いします」と言われた範囲が、尋常ではなく膨大で、途方に暮れた経験がありました(なんとか必死にこなしましたが…。)
よくも悪くも、彼らは基準値が狂っていますから、「まあこのくらいは普通でしょ」と思えることが常人からすると異次元レベルだったりします。
自分が望むメリットだけを得るのは不可能
優秀な人と付き合って成長メリットを享受したいなら、「自分が望むレベルのメリットを相手から得たい」という「我」を捨てることです。
プロ野球選手が普通だと思っている練習量を常人がこなそうとすると、体を壊してしまうでしょう。大きく稼ぐ成功者も普通の人ができないことをやってのけたからこそ、成功しているのです。そこへ普通の人が近づいていって、「自分はこのくらいの分量をこのペースでやりたい」という感覚で取り組んでも、何も実現させることはできません。
自分が彼らのようになりたいなら、少なくとも彼らがやったことと同じ水準の努力や行動が必要となるのです。もちろん、「何が何でも絶対に成功する。自分を捨てる覚悟で取り組む」ということなら問題はないと思います。しかし、多くの場合は自分を捨てずに新たな価値を得ようとするので、「我」がジャマをしてしまい、結局、新たなスキルやノウハウを獲得することができずじまいになります。
ネガティブな話ばかり並べてしまったようで恐縮ですが、Twitterなどを見ていると「優秀な人にお近づきになれば、自分も自動的に成功できる!」という思考が透けてみるケースが多かったので、一言言いたくなってしまいました。
黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
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