なぜ成功の確率が低い日本で起業するのか?

日本にはあまりなじみのない国ですが、ドバイから飛行機を乗り継いでやってきたジョージアのトビリシ。予想以上に魅力的な街でした。

空港について最初に気がついたのは、カジノの看板が非常に多いことです。この国ではカジノ規制が緩く、一定数以上の部屋数があるホテルなら、5百万ドル程度のライセンス料を支払えば営業ができるそうです。

私が宿泊しているビルトモアホテルを含め、数え切れないほどのカジノが営業しています。日本はパチンコがあるのにカジノ規制で大騒ぎをしている不思議な国ですが、ここはに日本のパチンコのように街中カジノだらけです。

カジノに限らず、この国の規制の緩さは、起業家にとってはたくさんのビジネスチャンスをもたらしてくれます。

今回の滞在中、1年前から現地で起業して事業展開している日本人の方に案内してもらいましたが、「この国にはチャンスしかない」と断言していました。

トビリシには登録している日本人は数百人しかおらず、日本人同士の競争はほとんどありません。

例えば、日本食レストランもまだ数えるほど。日本国内で飲食店を開業するなら、トビリシで始めた方が圧倒的に初期コストも低く、競合相手も少なくなります。お店のスタッフは日給1200円ほどで現地人を雇うことができます。時給ではなく日給です。社会保障などの諸経費を入れれば、人件費は日本の10分の1くらいでしょうか。

日本国内でたくさんの競争相手と一緒に、高い初期費用を支払って、がんじがらめの規制の中で起業するよりも、日本人がほとんどいない海外で、のびのびとビジネスを始める方が、成功の確率は高いのではないでしょうか。

こんな意見を書くと、いつものようにまた、海外はマーケットが小さいとか、英語でビジネスするのは難しいとか、現地人に騙されるとか、ネガティブな「やらない言い訳」を並べ立てる「評論家」がコメントしてきます。海外でビジネスするのにリスクはゼロではないのは当たり前です。その上で、やるかやらないかは自分が決めること。やりもしないのに、否定的なコメントをする資格はありません。、

日本に生まれた日本人だからと言って、日本でずっと仕事をしている必要はありません。リスクとリターンを考えて日本よりも魅力的だと思うなら、そこに行ってやってみれば良いのです。グローバルな視点を持った優秀な人ほど、日本と海外の境界を意識せず、息苦しい日本から脱出していきます。

確かに、海外で仕事をするには、生活拠点をどうするかという問題もあり、家族のいる人なら一人で勝手に決断できないという現実がある人もいることでしょう。また、日本人だけを対象にしたビジネスであれば、国内に特化するのが賢明な場合もあります。

逆に言えば、様々な理由で海外進出に二の足を踏んでいる人たちがいるからこそ、競合相手が少なく海外に行ってしまった人たちの成功の可能性が高まるのです。

海外で事業をしている人たちを見る度に感じるのは「人生やったもん勝ち」ということ。あれこれ考えているうちに、時間が過ぎて環境が変わり、チャンスは手の中からするりと抜けていってしまうのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年1月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。