ドバイにいると「居酒屋」に行きたくなるのは何故か?

中東のドバイに来ています。五つ星のホテルの宿泊料金は一泊70,000円。アルコールも高く、瓶ビールは1本1800円。ジョージアからやってきたので、価格のギャップに戸惑います。

ドバイは、もともと何もなかった場所に計画的に街づくりを進めており、今も街のあちこちで、奇抜なデザインの高層ビルの建設が進んでいます。

世界的に有名なブルジュハリファ(写真)には、観光客が押し寄せ、東京タワーのように人気化しています。そのふもとにあるドバイモールに行くと、世界中のハイブランドが集結し、水族館やスケートリンクまであって、まるでラスベガスやディズニーランドのようです。日本のモールとはスケールが違います。

お金を出せば、ほとんどのものが手に入るわかりやすい街です。

ITビジネスを手掛ける若手起業家の方に現地を案内してもらいましたが、住居は何とブルジュハリファでした。一般の人が入れない123階の高層ラウンジで現地の不動産業者と打ち合わせをし、アルマーニカフェで優雅にティータイム。

何とも豪華で贅沢な時間ですが、しばらくいると何かが物足りなくなってきます。

確かに、全てが効率的でクオリティが高く、清潔感と高級感に溢れていますが、昔からやっている老舗の飲食店や路地裏にある怪しげなバーはありません。

ドバイモールに入っているのは、PAUL、KFCといった世界的ファストフードや、ルイヴィトン、ロレックスといったグローバルなハイブランドばかり。フラット化した社会の象徴のようなお店ばかりです。

そんな環境にしばらくいると、日本の居酒屋のような雑然とした場所が恋しくなってきます。そこで、ドバイ最後の夜は「ドバイの居酒屋」に連れて行ってもらいました。

路地裏の居酒屋ではなく、ホテルに入っているお店でしたが、冷や奴、焼き鳥、出し巻玉子といった日本的なメニュを食べると、心のバランスが回復したような気がしました。これは単に日本食が食べたかっただけではなく、効率的な環境にいると、きっと非効率なものに心の安らぎを感じるからです。

新興国の雑踏の中にいると清潔なホテルに泊まりたくなり、ピカピカの高級ホテルにいると今度は雑踏が恋しくなる。人間の心は本当にわがままです。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年1月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。