家計簿をつけても「お金持ちになれない」

資産形成のために家計簿をつける人がいますが、私はお薦めしません。家計簿では「お金持ちにはなれない」からです。

(写真AC:編集部)

お金を増やす方法は、「収入を増やす」「支出を減らす」「お金に働いてもらって(資産運用で)増やす」の3つしかありません。

収入を増やすのと、資産運用して増やす場合、その増え方には上限はありません。500万円の年収が1億円を超えるようになった。そんな例は珍しくありませんし、資産運用でも元手を50倍、100倍にする機会に、私も何回も遭遇してきました。

しかし、支出を減らす場合、その金額には限界があります。毎月50万円の支出を減らすとしても、せいぜい10万円か20万円。支出を全部カットしたとしても、50万円が上限です。

支出を減らすのは、努力の割に報われる金額が小さく限界があるのです。

10万円節約するなら、収入や投資の収益を10万円増やす方法を考えて実践した方が簡単で、それ以上の追加の伸びしろもあります。

また、支出を減らすような節約生活に入ると、支出を削ることだけにフォーカスしてしまい、生活が味気なくつまらないものになります。

不要な支出は削るべきですが、必要な支出まで削ってしまい、縮小均衡のワナに陥ってしまうのです。

収入アップや投資情報の収集に必要なセミナーや書籍といった自己啓発費用まで削ってしまうと、10万円を節約することで20万円の収益機会を逃すことになりかねません。

それに、節約ばかり考えていると、周りに人が集まってきませんから、情報も集まりません。人間関係まで疎遠になっていきます。

家計簿をつけて不必要な出費をチェックするのは、まったく意味がないとは言いません。それより前に、やるべきことがもっとたくさんあるということです。家計簿で節約するなら、収入を増やす方法を実践するのに時間を使うべきです。その方が効率的で、前向きだから楽しいのです。

家計簿とにらめっこしてしかめっ面する時間があったら、人と会って、本を読んで、お金を使って楽しく入ってくるお金を増やしてください。

私の周りにいるお金持ちで、家計簿を見ながら節約優先の生活をしている人を見たことがありません。

家計簿をつけているだけでは、お金持ちにはなれないのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年1月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。