1月20日に、中野区議会を傍聴してきました。そのなかでプロモーションの取組について報告がありました。2年前から公式キャラクターの「ナカノさん」が存在していたようです。恥ずかしながら知りませんでした。
ツイッターは2018年12月に開設、インスタが2019年1月に開設。フォロワー数は1月27日時点で、ツイッターが3347件、インスタが2506件。さらに、サービス実施加盟店舗が19店舗であることや、区民参加のイベント参加者が47名であることが報告されました。少々、苦戦しているようです。
区側からは、「フォロワー数、イイネ、RTを増やすこと、エンゲージメント率を高めるように運営していること」が報告されます。議員からは「一般的なプロモーションと比較して費用対効果はどうなのか?」という効果測定の質問、「中野区の魅力が伝わっているのか」「区民の声を拾っているのか」という指摘が相次ぎました。
筆者なりに、苦戦している理由を考えてみました。「ナカノさん」は身長44センチ、体重525グラム、年齢や性別はあえて設定していないといいます。キャラクター自体はそれなりに魅力的で可愛く仕上がっています。
しかし、唐突感が否めません。さらに未成年者の飲酒をイメージさせるような画像も一部存在します。「年齢は設定していないので問題はない」という意見もあるかと思います。しかし、キャラクターを設定している時点で誤解を招くリスクがあります。
80年代のCMでは、酒類の缶にペンギンやタコのキャラクターを使用して批判されたことがあります。数年前、キリンビールが缶チューハイのCMを中止したことがありますが、キャラクターを設定したことで未成年の関心を誘うリスクがあることが理由でした。
誤解を与えないためにも、未成年ではない20歳以上を設定するか、設定しないなら飲み屋の画像は非公開にしたほうがいいのではないかと思います。または、ナカノさん(父や母)などを登場させるなどの配慮が必要でしょう。
中野区には24の小学校、11の中学校、14の高校があります。また、大学誘致の効果もあり、8大学が存在します。プロモーションを告知して、多くの子供や学生を参加させることはできなかったのでしょうか。そのようなプロセスをへての「ナカノさん」誕生だったら少々違った結果になったように思います。やはり区民参加型が望ましかったです。
現状をよくするための議論は必要です。僭越ながら、引き続き区民の認知を高めるための活動を続けてもらいたいと思います。なお、妙案がある方は区役所にお問い合わせください。
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中野区 区民部 産業観光課 シティプロモーション係(平日9:00~17:00)
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尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
『頭がいい人の読書術』(すばる舎)を出版しました。