東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出、都議会自民党最年少)です。
正式名称は誰が決める?
英国BBCサイトのコラムに興味深い記事がありました。今日は、この内容を基に新型コロナウイルスの正式名称がどのように決まるのかを記していきます。
基本は参考サイトからの引用を中心としたまとめです→「How the new coronavirus will finally get a proper name」
まず、今、日本中で使われている新型コロナウイルスという名前は正式なものではありません。あくまで暫定名称(20年2月5日現在)として決まっている2019-nCoVという名前なのです。これは、2019年に見つかったn「news:新型」CoV「coronavirus:コロナウイルス」ということなのです。
でも、今は「新型コロナウイルス」という呼称で違和感がないわけですが、正式名称の必要性はあるのでしょうか?まず、では誰が名前を決めるのかということですが、WHO(世界保健機関)は1月31日に下記のツイートをしています。
内容:WHO is proposing ‘2019-nCoV’ as an interim name of the virus. The final decision on the official name of the virus will be made by the International Committee on Taxonomy of Viruses. WHO Situation Report 30 January 2020
和訳:WHOは、ウイルスの暫定名として「2019-nCoV」を提案しています。ウイルスの正式名称に関する最終決定は、ウイルスの分類に関する国際委員会によって行われます。 WHO状況レポート2020年1月30日
一度広まると止められないSNS・非公式名称
米ジョンズ・ホプキンス健康危機管理センターのクリスタル・ワトソン准教授は「正式名称がない危険性として、たとえば人々が『チャイナウイルス』などの呼称を使い始めてしまい、特定の集団に対する反発を引き起こす可能性があります。”The danger when you don’t have an official name is that people start using terms like China Virus, and that can create a backlash against certain populations.”」とBBC記事中では指摘しています。
そして、特にSNSなどで非公式の名称が素早く広がりやすく、刺激的なものが展開されると抑制するのが困難だということなのです。
WHOが命名はここがするとツイートした International Committee on Taxonomy of Viruses(ICTV)は過去の事例にも注意を払っています。
2009年に流行したH1N1型インフルエンザウイルスは、「豚インフルエンザ」という名前がついていました。豚ではなくヒトを介して広がるウイルスだったのですが、この名前により飼育していた全ての豚を殺処分したエジプト政府の判断が出た事例もありました。そのことで、WHOは、2015年に流行した中東呼吸器症候群(MERS)について、その名前を批判していました。
「これまで、病気の名前が特定の宗教的・民族的コミュニティーに対する反感を引き起こし、渡航や貿易などへの不当な障壁を生み、家畜の不要な殺害を招いてきた」と当時、声明を出していたのです。
そこで、2015年にウイルス名の名前についての原則をこちらで述べています。
World Health Organization Best Practices for the Naming of New Human Infectious Diseases
これによれば、新型ウイルスの名前に、地名、人名、動物名、食品名、文化の名称、産業名称などは含んではいけないということになっています。
ということですが、BBC記事によれば科学者たちは既に名称を絞っているとされ、まもなく発表される事になります。いずれにしても、私達1人1人が冷静に本事案に対峙して、感染拡大を防ぐべく努力していく事には変わりません。皆さま、どうぞ宜しくお願い致します。
編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2020年2月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。