「小心者のままでいい」~困難に直面した人が読むべき一冊

今までの人生で、本当にもう終わりではないだろうかという崖っぷちに何回か立たされたことがあります。しかし、この本にかかれている湯澤さんの「親の借金40億円肩代わり」という話を聞くと、私の絶望の深さなど比較にならないものだと感じました。

人が想像を超える試練や困難に直面した時に、それをどうやって乗り越えることができるのか。その壮絶なプロセスが、正直に描かれています。

私は、絶望的な状況になると、これ以上は悪くならないと思いこむこと、そして自分は神様から試練を与えられ試されているのだと考えるようにしています。

湯澤さんの方法にも共通するところがあります。本書の第4章に湯澤さんが実際に経験から得た「30の処方箋」が具体的に記載されています。

もし、今困難に直面している人がいたら、このリストを読んで、自分に合ったものを実践してみると良いと思います。リストを見ていて思うことは、事実をどのように捉えるかは人間の感情であり、感情をコントロールする力こそ、困難に負けない大きなパワーだということです。

人間は弱い動物ですから、感情のコントロールが簡単に制御不能になります。だから、それを立て直すための方法を知っておくことは、とても有意義です。

そして、最終章に書かれた3つのことが、壮絶な20年から湯澤さんが得た深い人生観なのだと感じました。

自分を変えなくて良い
主体的に生きる
すべては過ぎ去っていく

最初は理不尽だと思っていた40億円の借金も、その怒りが穏やかな感情に変わっていく。湯澤さんは楽しくやりがいに満ちた大手企業での仕事を断念せざるを得なくなり、充実した毎日を失いました。しかし、その代りに20年間で他の人が手に入れることができない大切なものを手に入れたように見えます。

人生の全ては表裏一体。どちらが正しく、どちらが間違っているということは無いのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年2月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。