円暴落からのXデーの可能性

藤巻 健史

かっちゃん/写真AC(編集部引用)

さらなる円高進行、その後の円大暴落のシナリオも頭に入れなくてはならない状況になってきたようだ。

円高は、ただでさえ大幅下落をしている株価のさらなる下押し要因だ。その結果、(あと数日このような株価下落が続くと)日銀の保有株が評価損になってしまう。さらに大幅下落が続けば債務超過の懸念。そうならば日本売り(円、株、国債の大暴落)の発生だ。

株の下落で、中央銀行の財務内容を心配しなくてはならないなど、とんでもない話だが、そのような国は日本だけだ。他の中央銀行は金融政策目的で株など保有していない。

銀行は信用がすべてである、中央銀行は、その最たるものだ。私が「日銀倒産の可能性」と説くと、「そんなことありえない」との反発が起こるが、それは中央銀行を絶対的に信頼、信用をしているからだ、その信用を保持するために、世界の中央銀行は値動きの激しい株、不動産、長期国債などに手を出さなかった。それが大鉄則だった。それを財政破綻先送りのために日銀は大破りした。

何があっても損しないはずの中央銀行の資産が(時価評価をすれば)ジェットコースターのように上下し、債務超過になる可能性がある。そんな国の通貨は、世界の人々が見向きもしなくなる。円暴落でXデーの可能性が出てきた、緊張感を持ってマーケットを持ていなくてはならない。