不安になるとなぜトイレットペーパーを買い占めるのか

コロナウイルスの影響で、マスクやアルコール消毒液が品切れになっていますが、今度はトイレットペーパーやティッシュを買い占める人が出てきているそうです。

2011年の東関東大震災の時も、スーパーの棚から、ミネラルウォーターやカップヌードルなども一斉に無くなったことがありました。

もっと古い話になると、1970年代のオイルショックの時にもトイレットペーパーの買い占め騒動がありました。当時は小学生でしたが、親に連れられてスーパーでお一人様1個限りの行列に一緒に並んだ記憶があります。

今回のトイレットペーパーの買い占めが起こっている理由は、中国製の輸入が減って品薄になるというデマ情報が出回っているからです。

しかし、2019年のトイレットペーパーの国内出荷は105万9370トン。輸入品は2万4945トンと全体の2.3%で、中国からの輸入量は1万4386トンと1.3%に過ぎないそうです。

不正確な情報でも不安を煽られて、衝動的に行動してしまう情報弱者の人は、いつの時代にもいなくならないようです。

確かに正常な日常生活に対する不安が出てくると、生活必需品を確保したくなる気持ちは良くわかります。

トイレットペーパーやティッシュは、食料のように生死に関わるものではありませんが、無くなるととても不便なものです。

後から考えれば、滑稽な行動でも、渦中にいる時はシリアスになって感情的に行動してしまうのが人間の性です。

今回のコロナショックがいつ収束していくかは、まだ見えません。しかし、トイレットペーパー騒動が収まる頃には、金融マーケットの混乱も収束に向かっていることでしょう。

駅などの公共施設のトイレからトイレットペーパーを持ち出す人ような不届きものが現れないことを祈りたいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年2月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。