ツイッター上で連載開始し人気を集めた漫画『100日後に死ぬワニ』が、最終回直後の大規模コラボプロジェクトの発表で「広告大手の電通が関わっているのでは?」という憶測が広がり「最低のステマ」などと炎上した一方、作者本人は「電通案件」の噂を否定しており、また他のクリエイターやネット作品を応援する議員らからは擁護の声が上がっている。
ツイッター上で1日1話のペースで連載が開始されたSNS上の4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』が20日に最終回を迎えたが、直後に映画化やグッズ化などの大規模コラボプロジェクトが発表されたことに批判が続出。
特に「広告大手の電通が関わっているのでは?」という憶測が広がったことで、「人殺し企業が『死』で商売をするのか」「電通がワニを通じて命の大切さとかバカにしてるにも程がある。最低のステマだよ」といった反発の声が上がっていた。
お金を稼ぐ事そのものは全く否定しないけど、ワニが死んだ途端山のように繰り広げられるコラボ企画の数々と、よりにもよって多くの人を過労で殺害してきた電通案件だったという2点はややショックと言わざるを得ない…
半日と経たずに色んなカラクリが掘り返された挙げ句に
ワニ=電通案件
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電通+死=電通社員過労自殺事件・高橋まつりさん
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人殺し企業が「死」で商売をするのかという方向に話が広がりつつあり、Webにおけるプロモーションの難しさを考えさせられるケースになった。
電通がワニを通じて命の大切さとかバカにしてるにも程がある。お前んとこ、過労死案件抱えてんじゃん最低のステマだよ。
ネット上のこうした批判を受けて、『100日後に死ぬワニ』の作者・きくちゆうき氏と3人組バンド・いきものがかりの水野良樹氏が21日にツイッターで生配信を実施。
会見を見ていた視聴者のまとめによれば、両氏は
- 電通は絡んでない
- いきものがかりがコンタクトをとったのは2月
- YouTube動画だけ電通に頼んだ
- ベイシカ社(各種プロデュース)はできたばかりのベンチャーで関わりは2月から
- 歌や販売もろもろは作品への熱量で100日目に間に合わせた
- 作者きくち氏は騒動が悲しい
- 事故で亡くなった友人のことを思って描いた(涙)
- 最終回に答えはなく、受け取りかたは人それぞれ。それ以上の意味はない
- 最初から大手が絡んだ壮大なプロジェクトではない
- みんなが作品への情熱で間に合わせた。ワニが起こした奇跡では(ベイシカ社、談)
などと騒動を釈明し、「電通案件」の噂をきっぱりと否定したという。
この釈明に対しネットには、「(関連プロジェクトの)発表タイミングのまずさ」を指摘しつつも、「単なる悪意ではない」「100日もお金を取らず描く大変さよ。ミッキーやキティちゃんなんて徹底してビジネスしてんだからそんなに怒る事なのか」などと擁護の声が上がった。
きくちゆうき先生出演放送見てたけど、どうやら関わった皆が滅茶苦茶ワニに入れ込んで張り切りすぎた結果、商業展開も漫画開始後のスタートでも諸々決まったし、その発表タイミングがまずかったことにもテンション上がって気づいてなかったというのが真実っぽいなあ。少なくとも単なる悪意ではない。
ワニくんが急に商売っ気がでて冷めた人も多いらしいが、100日もお金を取らず描く大変さよ。
死んだ途端とか言うけど、しばらくしたらブームの波がなくなって失敗したりもする。
ミッキーやキティちゃんなんて徹底してビジネスしてんだからそんなに怒る事なのかな。
また一部から聞かれる“ステマ”との声には、「オタク議員」として知られる東京・大田区の荻野稔・区議(無所属)が、「100日間欠かさずマンガを載せ続けるのは凄い事、先生も霞食って生きているわけではない」「SNS発でこれだけのムーブメントが作られた、作家さんにとってのチャンスも広がっていくとプラスの面も」「ステマって中立な立場での批評や直接の利害関係がない第三者の感想を装うこと」「(今回は)露骨にダイレクトアタック。ステマってもっと小賢しい感じで消費者の判断を狂わせるもの」などと反論。
さらに荻野区議もリツイートしていたイラストレーターの岸田メル氏は、「毎日楽しみで最後まで良くて感動した分、突然現れた他のたくさんの大人の存在にびっくりしたが、きくちさんが儲かるならいい」とコメントし、3万以上の「いいね!」がつくなど大きな反響を得ていた。