コロナ騒動で得られた「3つの気付き」

東京は朝から吹雪で荒れ模様の天気です(写真)。小池都知事の週末外出自粛要請を後押しするような、まさに「神風」です。

コロナウイルスの新たな感染者数の増加傾向から判断すると、来週の東京は、いよいよ正念場を迎えることになりそうです。政府の非常事態宣言発表の噂も広がっており、緊張感が高まります。しかし、そんな危機的な状況だからこそ、得られる気づきもあります。

気付き1.「変節」の大切さ

コロナウィルスには、まだわからないことがたくさんあります。この数ヶ月の間にウィルスの特性や、感染経路等、新しい事実が次々に見つかり、その知見を次の対応に活用しています。

新しい事実がわかれば、それに迅速かつ柔軟に対応することが大切です。「変節」という言葉で表現しましたが、自分の考えに頑固にこだわりすぎ、身動きが取れなくなる事は避けなければいけません。

気付き2.素人は専門家には勝てない

医療知識のない素人が、コロナウィルスに関して様々な発言をしていますが、間違っていることにすら気が付かないインフルエンサーも存在し、誤解を広げてしまうケースが出てきています。

私を含め、医療や疫学に関する素人にできる事は、コロナウイルスに関して直接分析して自説を唱えることではありません。どの専門家が信頼できるのかを目利きすることです。

いわば「目利きの目利き」をすることが重要なのです。それぞれの専門家の知見を取捨選択して、総合的に判断する。専門家に勝とうとしてはいけません。

気付き3.目先だけではなく、俯瞰(ふかん)する視点を持つ

目先は厳しい状況が続くコロナウィルスとの戦いですが、未来は既に見えています。永遠に続くものではなく、いつまで続くかの時間軸の問題です。

ブラックマンデー、リーマンショックの時と同様、渦中から少し離れてみるだけで違った世界が見えてきます。

霧の中でさまようよりも、そこから上に抜け出し、全体を俯瞰する。それによって違った見方ができるのです。

「試練こそ最高の学び」を教えられました。危機の中から、次への学びを得ていきたいものです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年3月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。