パチンコは不要不急の外出なのか?

田中 紀子

東京都のコロナウイルスの感染者が爆発的に増え、TOHOシネマズもこの週末は休業、東京ディズニーランドも休園延長と、いよいよ都内もロックダウンか?という状況になってきました。

小池百合子都知事もTwitterで「#うちで過ごそう」と呼び掛けておられます。

自覚症状がないまま陽性になる人もいるようですし、なんせ我が家には半年前に胃がんで死にかけた86歳の母がいるので、多動な私もこの週末は、夕飯の買い出し以外はうちにいる所存です。

なんでも「自分は大丈夫」という意識ではなく、「自分がうつすかもしれない」という意識を持たなくちゃいけないらしいですね。

ところで我が家は、東京のど真ん中しかも飲食店が多い地区にあるのですが、今日あたりはさぞかし閑散としているだろう…と、思いながらスーパーに行ったところ、通りにはまぁまぁ人がいました。

少なくともがら~んとした感じではなかったですね。
でも、営業時間は短縮しているお店が多かったですね。

何よりも驚いたのは、パチンコ店に人が沢山いたこと!
土曜日のせいもあるでしょうけど、昼間2時くらいにたまたま前を通ったら、8割方くらいお客さんで埋まっていたので、驚いてしまいました。

パチンコは、不要不急の外出なのでしょうか?
そんなはずないですよね。それでもやらずにはいられないという人たちが出掛けているんだとしたら、それはもう依存症者もしくはその予備軍ですよね。

こういう不安な世情にパチンコでもやって気を紛らわすしかないと考える人は、すでに依存症か危険水域、そうでなくても依存症になってしまいますからやめたほうがいいのです。

不安や心配事を紛らわすために、アルコール、薬物、ギャンブルを使いだすと、今度はそれがないとストレス解消ができないという悪循環になってしまい依存症になります。

震災などの後にアルコール依存症が増えるというデータが出ていますが、まさにそれです。

【図解・社会】東日本大震災1年・東北会病院のアルコール依存症患者の割合(時事通信)

こういう人たちに「行くのをやめなさい」と言っても、自分の意志では止められないので、やはり今はパチンコ店は自粛して頂きたいと思います。それが依存症者を生み出している産業の最低限の責任の取り方ではないでしょうか。

私はパチンコ店のこういう姿勢が実に不思議なのですが、アゴラさんで池田信夫さんがいち早く、パチンコの休業を訴え、

休業させるなら学校よりパチンコ屋(アゴラ)

3月6日の内閣委員会では、早稲田夕季衆議院議員がパチンコホールの休業の必要性について質問があり、そしてTwitter等でもパチンコ店の営業を自粛すべきという意見が数多く出ているにもかかわらず、

x.com

なぜ当のパチンコ店は、国民の安全のために協力姿勢を示さないのでしょうか?

少なくとも今週末の東京の店舗くらいは休業すべきではないでしょうか。
多くの産業が痛みを引き受け、特に文化系の演劇やコンサートライブハウスなど、依存症者生み出す産業でもない方々が自粛の道を選んでいるにも関わらず、やめたくてもやめられない人がいる依存症者を生み出す産業であるパチンコ店が、営業を続ける神経がわかりません。

「不要不急の外出は避けよう」と頭ではわかっていても行ってしまう人たちがいるんですよ?

さらに最近「喫煙者はもしくは元喫煙者は呼吸障害が出やすい」というデータが出され、この人たちをハイリスク層に入れることを、欧州疾病予防管理センターが推奨していますが、パチンコといえばタバコがつきもの、パチンコユーザーの50%超は喫煙者です。そんなハイリスク層を顧客に抱えていながら、なぜ自分たちの利益の方を優先させるのでしょうか。

管轄省庁である警察庁もなぜ放置しているのかわからないです。
人命よりご自分たちの天下り先の利益が優先なのでしょうか?

ちなみに今、都内の飲食店をはじめとする様々なお店で、まず従業員が来店者にアルコール消毒をさせていますが、私が今日通りかかったパチンコ店では、お客さんは誰も来店時にアルコール消毒などしていませんでした。
(通りかかったついでに20分位観察していました。)
マスクも半分以上の人が着用してませんでしたし、大丈夫なのか?と心配になりました。

繰り返しますが、都内は今、不要不急の外出を避けなければなりません。
けれども頭ではわかっていても、行ってしまう人たちがいるのです。しかもその人たちの50%超はコロナのハイリスク層です。

パチンコ店は、不要不急の外出を控える間は自粛しませんか?
依存症対策の面でも一石二鳥だと思います。