東京都議会議員の川松真一朗です。
さて、首都東京は都市封鎖(ロックダウン)一歩手前のところまでやってきています。
社会混乱解決の為
私は都議会自民党に設置された新型コロナウイルス感染症対策PTで「社会混乱解決」担当リーダーになっています。私自身は、武漢で新型コロナが広がり始めた時の1月31日に都議会オリンピック特別委員会で、大会の延期・中止も考えられるから、しっかりとした東京都としての対応を求めて以来、自分自身でも都議としての責任を重く受け止めて出来る事はないかと次から次へと取り組んで参りました。
そのきっかけが、自身のYouTubeにおける発信です。元々、YouTubeチャンネルは持っていましたが、動かしていなかったので、2月3日から連日、その都度、最新のコロナ情報を東京都のみならず、厚労省、国交省など関係各所にヒアリングをしては自分なりに発信をしてきました。
(↑直近の私たちの動画です。時間がある時にご覧下さい。)
当然、2ヶ月も続けていれば、フェーズも変わる、様々な方がチャンネルに訪れる事で、私も連日昼夜を問わない作業となりました。これは、世界のニュースもチェックしなければいけないということもありますが、刻一刻と事態が動いているということにも繋がります。
本日から年度始ですが、3月まで議会では令和2年度の予算審議もありました。
東京の「繁華街」は果てしなく広い
さて、本題に戻しますが、小池知事の外出自粛要請。30日の臨時会見では「若者にはカラオケなどを、中高年にはバーやクラブなどを控えて欲しい」と訴えたわけですが、日本の繁華街事情と言うのは世界と比べようもありません。これは小池知事が推進した「受動喫煙防止条例」の際も現場の運用という視点で私達が見過ごしてはいけないという点に共通します。
例えば、東京で繁華街と言えば、銀座、六本木、新宿、渋谷、池袋など山手線ないだけでも大規模なところがあります。これに八王子、立川、町田といった三多摩地域の拠点も入れると、いわゆる「東京の繁華街」面積はかなりのものになります。これはあくまで拠点的な場所だけです。
しかも、ヨーロッパのように路面に面している店舗というよりは、どの繁華街においても基本は雑居ビルに入っています。つまり、自粛要請の対象となる「繁華街封鎖」も海外と東京都は数でも比較にならないと言えます。
「繁華街の飲食店」という視点にして延べ床で計算すると、それはとてつもない広さになるのは自明です。ということは、その全ての店舗にはテナント料が発生し、人件費が発生し、あるいは返済出来ていない開店費用等もあります。2月に入ってから、各飲食店の予約キャンセルが相次ぎ、3月になったら空っぽという店が増加。それでも、お客さんが来てくれるなら、上記の固定費だけでも、どうにか稼ぎたい経営側とすれば、「店を開けたい」という思いがあるわけで当たり前のことです。
それでも、小池知事の会見を受けて、多くの店舗が感染拡大防止に貢献するという観点から「臨時休業」となり始めています。それでも先週からが主で、今週もその流れは増えています。でも、もし感染を広げてしまい、相手方も含めて会社が機能しなくなるケースもありますよと答えています。
私からすると、今の状態は全てが「自己責任」で、この「自己責任」も何だか分かりません。お店も、お客さんも「自己責任」とは言え、いざ感染者を出してしまったら命に関わる事案であり責任の取りようがありません。ただ中には自腹で店を消毒し約10万円かかったという例も確認しています。そうすると、コロナに関わる費用は日に日に赤字が大きくなっています。
そんな中で北海道知事や大阪府知事が積極的に発信しているのに首都・東京の知事は動きが鈍いという指摘もあります。そう見えても仕方ありませんが、色々な背景や色々な立場からの情報が入ってきて判断にとまどいがあるのかもしれません。改正新型インフルエンザ特措法における緊急事態宣言が出なくても、知事がやれることは沢山あります。
都の姿勢を見れば経済支援もどうしても、国の支援策待ちなところが多くモタモタしている感は否めません。医師会の幹部とも意見交換していますが、根本的には1人1人がスプレッダーにならないように「動かない」事が大切なんだという原則があります。そのためには、飲食店の営業は避けて通れない課題ですこれは都民、国民を守るために飲食店が協力してくれているという発想が必要だと、先の予算特別委員会でも主張しました。
直近の話で言えば、営業を停止している施設への国からの補償を求めるネット上の署名活動「SaveOurSpace」の発起人が会見を行い、補償のない自粛に苦慮する業界の現状と助成の実現を訴えました。発起人の篠田ミルさんは零細の事業者が多い音楽業界では「感染拡大防止のために閉めたいと思っても、破産してしまうから閉めることができないという踏絵に立たされている」と話し、金銭的な支援を求めています。
小池知事も言及している自粛が止まらないライブ業界の現状について、スガナミユウさんは「3月を乗り越えられるかどうかというお店もたくさんあります」「お店を閉じることで、照明・音響・出演者など、様々な方が職を失ってしまう事態が既に起きています」と語りました。
ぜひ、#SaveOurSpaceの動きにも注目をして下さい!(リンクはこちら)
営業補償の財源論
いよいよ本題です。テレビなどは営業補償の話ばかりになります。財務当局関係は財源論になります。これでは、いつまで経っても議論は先に進めません。役人の論理は予定されている事業がスムーズに動く事ばかり考えます。少なくとも、私達都議会自民党は築地市場跡地再開発計画の「内容の見直し」という小池知事答弁を高く評価し、目下のコロナ対策で都政の場において小池知事と対立している場合ではないと予算案に賛成しました。
この「見直し」の解釈を巡っては、知事、副知事、担当部署とそれぞれ温度差がありますが、今後の都が築地にかけようとしていた予算はじめ、あるいは今絶対にやらなくてもいいと思われる工事や開発が都には多く、これらの始まる全ての事業をストップしてでも、都内各産業の経済支援に回す必要性を私は訴えています。
なお、この計算が重要になりますが、これまで東京都はリーマンショック並みの経済落ち込みがあっても、持ちこたえることができるというのが石原都政で立て直した財政でした。そこで一般家庭でいう貯金にあたる基金を昨日で終わった令和元年度末で総額で2兆5047億円で積み上げています。このうちオリンピックに向けた貯金もあるので、「不急の事業」を除くという視点で見てみると約2兆円はMAXで使えそうです。
そして、東京都の一般会計予算7兆3540億円のうち、人件費などの固定費を除いたうち、必要な道路工事等のインフラ事業など、今年度から継続で動く分などを更に除いていくと、これはあくまで予測的な大まかな観測ですが、全事業の現場から寄せ集めるとMAXで約1兆円くらいはあるのではないかと試算を出しました。
つまり、東京都は、行政機構として、大きな決断をすれば3兆円を緊急対策費に使える可能性があります。この私の試算は、かなり乱暴である事を先に言います。大前提として不急と考える事業は人によって違います。
しかし、私は出来るだけ、現状の都庁を最大限に「小さい政府」にした場合の試算です。例えば新年度はゼロエミッション導入促進事業というのがあり、ゼロエミッション東京推進基金(仮称)が300億円あります。この事業はCO2排出ゼロ社会実現を後押しする事業で電気自動車や次世代燃料自動車などの普及に向けた動きです。はっきり言って、今、経済的な支えが出来なければ、将来の東京でZEVを利用する人もいなくなってしまうのです。
私は東京都環境局にはZEVの応援すると言ってきたタイプですが、今は、事業の休止を求めます。同様に、5G等の次世代通信系事業も動きをストップすべきだという強い思いです。この事業を推進する為、都庁へやってこられた宮坂副知事は敬愛しているし、この事業も応援してきましたが、こちらの基金が500億円です。この2つだけでも一旦立ち止まれば800億円捻出できます。
東京を救うためにやれることへの全力投球
私は「首都東京を救う事は日本を救うことになる」その一点で大英断を下すべきだと、都側に再三再四投げかけています。役人理論の枠内では、中小事業者の苦しみを解放することは出来ません。経済政策は融資の話ばかりです。4月に人事の季節と言っていますが、この時期での人事を見送らず本当にやってしまった東京都。しかもコロナ対策の現場リーダーを務めてきた総合防災部長も代わるという人事です。あまりにも役人文化で動きすぎです。
私がこの記事を出せば、間違いなく、様々な方面から前例がない、議決はどうするんだといった抵抗勢力からの声が出てくるでしょう。都庁の常識を乗り越えてこそ、街を支えられる。だからこそ、この未曽有の危機に立ち向かうには大胆な発想と決断力が必要です。
それだけに、ココから先は、都民・国民の皆様のお力を背に、役人文化を押し切らなくてはならない局面です。是非、ご意見を沢山下さい。切実な思いを語ってもいいという方は自薦他薦問わず、教えて欲しいのです。今まで政治家や役人になんて信じられない、接点がないという人も思いを届けて欲しいのです。下記のコメントでも構いません。
昨日もバーのオーナーやクラブDJの方と話しています。私達のPTヒアリングや、私のYouTubeを通じてより多くの皆さんに風を送りたいんです。僕は東京の議員として、絶対にこの局面を乗り越えるという強い決意を持っています。
そして、世界の事例を見れば、今、感染者を抑えないと東京の医療崩壊が起こる。そうなると、世界の中で光り輝いてきた東京(TOKYO)の再興が厳しくなります。暴論が認められるよう努力を重ねます。