新型コロナウイルス感染拡大を受け、大手企業が自社ロゴに手を加え”ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)”の励行に努めています。
その一方で、フェイクニュースが錯綜し虚偽広告が混乱を深刻化させかねない今だからこそ、こんな決定を下しました。4月1日恒例、エイプリル・フールに発信してきたユーモアたっぷり嘘広告を自粛しているのですよ。これまで大手企業は一連の広告を通じ世界に笑いを届けてきましたが、今年は仕方ありません。
エイプリル・フールの嘘広告と言えば、先駆者のグーグルですよね。同社は2000年からほぼ毎年リリースし、金融危機発生当時でも人々にユーモアを提供してきました。筆者にとって近年のヒットは、やっぱりパックマップでしょうか。ちなみにカバー画像は、2008年に大爆笑を巻き起こしたグーグルマップ8ビット版です。
ただし、ITバブル崩壊の影響か2001年と03年に見送ったケースも。現状、グーグルは「新型コロナウイルスに関連する検索動向」として、グーグル・トレンドを無料で提供する通り、笑い以外で人々を支える役割に注力しているようです。
企業と言えば、米国では3月18日にトランプ大統領が国防生産法(DPA)を発動した結果、ゼネラル・モーターズやフォードなどが人工呼吸器など医療器具の生産に着手していますよね。またGMは3月31日、1日にマスクを生産中とも報告。4月8日までに2万枚用意する見通しで、工場が軌道に乗れば1日5万枚生産できるのだとか。同社は正社員6.9万人の給与20%削減を決定するなどフォードやFCAと同様に手元資金確保に奔走する傍ら、有休資産の活用に努めています。
ビジネスラウンドテーブルは、2019年4月に「企業は株主のために存在する」という株主第一主義の看板を捨て①顧客、②従業員、③地域社会――などに配慮する方針を打ち立てました。当時ビジネスラウンドテーブルの会長ジェイミー・ダイモン氏率いるJPモルガン・チェースは新型コロナと闘う地域社会や国際機関など5,000万ドルを寄付するといい、方針撤回が嘘ではなかったことを証明しつつあります。
米国のメディアは、外出禁止令の発動もあって在宅勤務に移行中。経済金融情報局CNBCも、司会者はもちろんゲストまでスタジオからではなく自宅からの出演へ移行しています。感染防止に向けた外出自粛の波に乗り、日本のメディアにもこうしたトレンドが流入するのでしょうか?
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年4月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。