こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka
相変わらず、コロナ禍で世界中が落ち着かない状況が続いています。私も予定していたリアルセミナーが開催できなくなったり、メディア会社でコストカットが実施されて原稿執筆が停止になったりと少しずつ影響が出ています。幸い、他のビジネスの収益は影響がないので、直ちに生活に支障はありません。しかし、育てていたビジネスの芽が小さくなってしまうのは、とても辛いことです。
さて我が国、日本も混沌としてきました。人々の先行き不安の気持ちが表すように、鉄道事故が増えたり、SNSの投稿が荒れているのを目の当たりにすることがあります。残念なことに普段はおとなしく、温和な人たちもこうした状況で他人に攻撃的になってしまうようです。
その人の本性は有事に現れる。
普段は温和な人たちでも、見ず知らずの人に攻撃的になるなどその人が持っている隠された本質が浮かび上がる。残念なことにコロナ禍をきっかけに、そういう人たちが増えていると感じる。有事の局面ではその人の器が揺さぶられ、露見してしまうのだろう。
— 黒坂 岳央@英語多読講師・経営者・作家・講演家 (@takeokurosaka) April 3, 2020
政府アカウントに攻撃する残念な人たち
先日、政府アカウントに噛み付く人たちを目の当たりにしました。
具体的にそのアカウントを示すことはしませんが、多くの人達がコロナ禍に対する政府の対応を批判し「なぜ◯◯しないんですか?」「辞任しろ!」と猛り狂っているのです。その中には自身が高校生、大学生であることを主張するアカウントもありましたが、大多数は「いい大人」のアカウントばかりです。彼らの攻撃性に2つの意味で問題を感じました。
鬱憤晴らしをする残念な大人の2つの問題
まず1つ目は政府の対応をSNSを通して直接ぶつけても、誰も得しないということです。
政府は経済的、外交的、政治的と多面的に見て判断を迫られます。「国民を不安にさせて、よく平気でいられますね!?」などと感情的に言ったところで、具体的に解決へと結びつくことはないのです。言われた政府関係者も、負のオーラをぶつけられて妙案が浮かぶことはありませんから、誰も得しません。単に自分の怒りの感情を、公の人が見る場でぶつけるなど、「いい大人が感情まる出しにするなど、みっともないことはやめなさい」と言いたくなってしまいます。
そしてもう1つは「攻撃する側は責任を取らない」ということです。誤解しないでもらいたいのは、私は「批判がダメ」とは思いません。批判があるからこそ、発信者側も新たな視点の獲得を経て成長するわけで、そうした自由意見が介在するエコシステムでこそ、高いレベルの意見交換とそれを受容する社会が成り立つと思っています。書き込みの中には具体性があり、周囲で見ても納得感のある冷静なプランを提案するものもありました。しかし、そうした建設的な意見は100ある批判コメントの内、せいぜい1つあればいい方です。
大多数の人は無責任に
「他国を見習え(具体的に何をどうする?)」
「消費税10%がダメだった!(過去の事実を述べて終わりなの?)」
と主張するだけです。「自分はこの件について不満を持っている!」と主張するだけなら、小学生でもすることです。わざわざ時間とエネルギーをかけて、政府関係者のアカウントに攻撃しに行くのは、自らの器の小ささを晒しているだけのように感じます。
先行きに迷った人が取る行動は「怒り」
諸説ありますが、ウイルスが世界でパンデミックを引き起こしてしまった…これはほぼ天災と言える厄災であり、現時点で特定の誰かを責めて解決する問題ではありません。感染症の歴史も、人類と細菌やウイルスとの生き残りをかけた戦いの連続であり、誰か特定の個人を責めることができるものではないのです。
ウイルスという天災を受けて、みんなが不安を抱えています。いつ終息するのかは分からず、DNAではなく、RNAウイルスということもあって、最近では頻繁に変異を繰り返しているという話も出てきています。もしかしたらインフルエンザウイルスのように「毎年多くの人の命を奪う流行」として定着する可能性もゼロではありません。
これは過去にブログで意見を述べたことがあるのですが、将来の先行きに迷った一部の人が取る行動は「怒り」と決まっています。不安になった人の多くは、心の不安定さと辛さと戦いながらも日々を生きているわけですが、そうではない人は誰かに怒りをぶつけたくなるのです。これにはある種の合理性があります。なぜなら、不安や悲しみに耐えることに比べれば、怒りは誰かにぶつけたらスッとしますから本人にとっては「悲しむより怒る方が楽」だからです。
しかし、怒りをぶつけられる側も感情を持った人間で、誰かの鬱憤晴らしにされてはたまったものではありません。確かに政府関係者の対応も100%とは思えませんし、日本では欧米ほどの死者は出ていないのは政府の手腕というより、日本人個人の衛生意識の高さに寄るところが大きいと感じます。
が、そこで自分が気分的に楽をしたいからと、誰かを攻撃するのは稚拙な感情です。高校生や大学生が不安を覚えて、政府関係者の大人に物申すのはまだ可愛げがあるものですが、立派な大人がそれをするのは見ていて大変チャイルディッシュな行動に感じます。
今はぐっと耐え忍ぶ時です。対人間同士の戦争と異なり、ウイルスは対話もできなければ、積極的に撃滅を目指してミサイルを打ち込むこともできないのです。「ここが海外に劣っている!」と鼻息荒く批判するヒマがあるなら、「有事の際でも冷静な日本人」の一員になって、その態度を海外から高く評価を受けられるよう行動する時ではないでしょうか。
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