朝日新聞社は4日夜、同社東京本社に勤務する30代の女性記者が新型コロナウイルスに感染したことを明らかにした。
朝日新聞デジタルの速報記事によると、女性記者は3月28日ににおいがしないなどの異常を覚え、自宅療養に入った。その後、PCR検査を受けてこの日に陽性と判明したという。3月28日に同じ職場にいた同僚について「発熱などの症状を訴える人は出ていない」としている。
記事を配信した朝日新聞の公式ツイッターには
これまでの対策を知りたいです。不要不急の外出を伴う取材活動はなかったのか。テレワークの活用はどれほどされていたのか。
といった同社の対策に関心を寄せる人や
どうぞお大事に。
といった見舞いの言葉も、ごく少数ながらいた。
一方で、ほとんどの書き込みは、朝日新聞嫌いのネトウヨとみられるネット民からのものだった。彼らの多くが皮肉を交えてぶつけていた言葉が「痛快」だ。これは3月13日に、同紙の小滝ちひろ編集委員がツイッターで
あっという間に世界中を席巻し、戦争でもないのに超大国の大統領が恐れ慄(おのの)く。新コロナウイルスは、ある意味で痛快な存在かもしれない
とコメントし、大炎上した。
当時の朝日新聞の報道によると、小滝氏は「ウイルスの威力の大きさを表そうとした」と釈明していたというが、ネット民から顰蹙を買っただけでなく、ライバル他紙やNHKなどにも取り上げられてしまう不祥事に発展した(小滝氏のツイッターは騒動直後にアカウントごと削除)。
コロナを巡る、自社の記事の不適切な発言騒動が起きてから1か月も経たないうちに、とうとう同僚記者が感染してしまった格好に。だからといって「痛快」だと言い返してしまうネット民の辛辣な態度にはえげつなさがあるが、朝日新聞のツイッターに、あるネット民が「だから他人事じゃないんですよ」と、たしなめていたように、報道機関も社会の当事者としての自覚が問われているのは間違いない。