新型コロナウイルス緊急事態宣言と在宅勤務推進に向けた企業の対応

5月総会の東証1部上場会社が総会の延期を決定しましたね(リリースはこちらです)。再三申し上げているとおり、私は株主や従業員の方々の安全のためには当然の措置ではないかと思います。しかし、4月総会の56社、残る5月総会の20社はどうされるのでしょうか?

さて本日(4月7日)、新型インフルエンザ等対策特別措置法(第32条1項、令和2年法4号追加-附則1条の2)に基づき、新型インフルエンザ等緊急事態宣言が発出されました(発効は4月8日午前0時)。

事業者は、政府や地方公共団体のコロナウイルス感染防止のための対策に協力する義務がありますが(同措置法4条2項)、緊急事態宣言が発出され、該当都府県の知事に(社員に対する)法的な外出制限の権限が付与されましたので(同法45条1項)、社員の在宅勤務を推進する、交代出勤制を導入する等、事業者には職務の安全性確保の必要性が高まっています。

本来、働き方改革や生産性向上を目指して、テレワークを中心とする在宅勤務制度の推進が図られていますが、このたびは事業の継続性を維持するための在宅勤務制度の導入が、大企業や中小企業といった規模を問わずに検討する必要があることから、左図のような法的アプローチが必要ではないかと考えております。

このたび、某法律雑誌の緊急特集(緊急発売)「新型コロナウイルス対応の企業法務」におきまして、コンプライアンスの視点から執筆させていただくことになりましたが、できればその要旨だけでも早めに当ブログでもお伝えしたいと考えています。不定期ではありますが、企業の有事対応としてのテレワークを中心とした在宅勤務に関連する法律問題を取扱う予定です。働き方改革の一環としての在宅勤務の論点とは、また少し変わってくるかもしれません。


編集部より:この記事は、弁護士、山口利昭氏のブログ 2020年4月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、山口氏のブログ「ビジネス法務の部屋」をご覧ください。