石田純一さんコロナ入院:東尾理子さんが謝罪すべきでない2つの理由

田中 紀子

石田純一さんが新型コロナウィルスに感染し入院中とのこと、まずはお見舞い申し上げます。

この件について、奥様の東尾理子さんが謝罪コメントを出されましたが、

東尾理子、夫・石田純一の沖縄行きと感染で謝罪「説得、止めきれなかった事を深く後悔し、反省」(オリコンニュース)

ご自身も有名人である奥様としては、コメントを出さずにはおられなかったのだとは思いますが、奥様が「謝罪」や「反省」をするべきではないと思うんですよね。奥様にコメントを迫るマスコミがいて、仕方なく出したのなら、そういうマスコミの姿勢も是正されるべきと思います。

なぜ理子夫人に謝罪や反省をして欲しくないか…
そこには2つの理由があります。
まず1つ目は、

1)大人である夫の意志を妻がコントロールできるものではないこと

理子夫人の

私と子どもたちは自粛が始まってから、自分たちが感染予防をするだけでなく、保菌者である可能性を考えて行動してまいりましたが、全世界が感染防止に努力、我慢をしている中で、仕事であるとはいえ飛行機に乗り都外へ出ようとする主人を説得、止めきれなかった事を深く後悔し、反省しております。

というコメントは、一見けなげな妻に見えて、立派だと思われる方もいらっしゃるのかと思いますが、そもそも66歳になる大人の行動を、妻が制御などしきれるものではありません。

このコメントのあと、実は石田さんがゴルフやサウナも行っていたということが報道されたようですが、これは私の勝手な推測ですが、石田さん仕事にかこつけてゴルフがしたかったのでは?と思っています。だって仕事の打ち合わせ程度なら、いまどきリモートワークでいくらでもできますもんね。

現在でもどれだけ「うちにいよう」「外出自粛」と言われても、パチンコに行列ができるように、理性で行動が制御しきれない人たちがいるわけですよ。そして、そういう人のことを妻がコントロールなどできません。

依存症のように家族問題を扱っているものとして、一番困るのはこの「家族の連帯責任」です。
「なぜ妻がやめさせられないんだ。」「親の育て方が甘いからだ。」「家族の愛情が足りない。」
などなど、本人の行動を家族の連帯責任とする人たち、特に日本や韓国などアジア諸国はこういう傾向が強いですよね。

家族の連帯責任という幻想の払拭は、実は喫緊の課題であり、これが依存症や虐待、DVなどの社会問題を長引かせています。

「夫をコントロールできなくてすみません。」などと言うコメントが出されたら、「そんなの当たり前でしょ。あなたの責任ではない。」と、人々が奇異に感じるくらいになって欲しいくらいです。

2)コロナ感染で謝罪が必要なのか?

確かに、自粛が叫ばれている中、石田さん自身にうかつなところもあったかもしれませんが、そもそもコロナに感染して謝罪するということ自体絶対にやめるべきだと思います。

現在でも感染経路不明の人たちが多くいますが、感染者が「謝罪」や「反省」を迫られるような状況になってしまえば、無自覚者はもちろん軽症者も口をつぐんでしまいますし、感染経路に迷惑をかけたくないと、正直なことが言えなくなってしまいます。

これから先も、人類は感染症の脅威に何度でもさらされる時が来るわけで、今回のコロナウイルスの経験は、未来に生かされるようにしなくてはならないわけですよね。

規模が小さいうちに、いかに封じ込めるか。
その辺りが重要な鍵となることを学んだわけで、ここから先も「感染した人が悪いわけではない」という雰囲気を社会全体で作り、感染者がいち早く助けを求め、対策が打たれるようにしなくてはならないと思います。

感染症に自己責任で立ち向かえるわけなどないのですから、「謝罪」や「反省」は不必要であり、ましてや配偶者の謝罪など、なんの意味もないどころか不必要な偏見を生み出します。

「謝罪」や「反省」叩かれる前に、出したくなる心理はわかりますが、なんでもかんでも出さない方が、社会のためになることもあるので、有名人の方はグッと我慢する時は我慢して頂き、マスコミも追いかけ回さないようにして欲しいです。