コロナウィルスが日本社会を分断する

自粛生活が続いているせいか、ビジネスや投資で不安を感じる人が増えているせいか、何だかイライラしているストレスフルな人が増えてきているように思います。

コロナ感染症対策として、外出の自粛要請がされています。ところが、一部の地元商店街で、外出する人で混雑する様子が報道され、SNSで怒りを爆発させている「コロナ警察」と揶揄される人たちがいます。その一方で、過剰な自粛は経済を破綻させ、逆に生命の危機をもたらすと主張する人たちもいます。

東京の医療現場は、感染対策で医師や看護師に極めて大きな負担がかかっています。にもかかわらず、医療関係者やその家族が、感染リスクがあると差別される深刻な話も聞きます。

「Eggs’n Things」というパンケーキチェーンを、24店舗も展開しているタリーズコーヒージャパンの創業者で、元国会議員の松田公太さんが、家賃支払の猶予や減免を認める「モラトリアム法」の策定を求めているそうです。家賃の減免を求める賃借人と不動産オーナーとの利害対立が、これから激しくなりそうです。

コロナショックにより、大打撃を受ける飲食店や宿泊業がある一方で、逆に売り上げを拡大し、コロナ特需のような状態になっている企業もあります。

これらのケースのように、コロナウィルスの拡大によって、社会が2極化して分断されることが多くなってきました。

今週、久しぶりに東京の夜の街を歩いていて、治安の悪化を感じました。社会の分断によって、日本が住みにくい国にならないことを祈りたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年4月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。