今週のつぶやき:まだご健在だったキヤノン 御手洗会長

カナダの報道によるとカナダのコロナ感染者の過半数はアメリカから来たもので中国由来のものはほとんど発見されたなかったという分析結果が発表されています。他に多いのが英国など欧州を起源とするものとのことです。カナダといえば中国人が多いところなのですが、変異を繰り返したとしてもその痕跡が少ないというのは実に不思議です。折しも各国が中国に巨額の賠償請求に動いていますが、これは第一次世界大戦のドイツに対する賠償請求と同じスタンスに見えます。コロナは本格的な不和の始まりになるのでしょうか?

では今週のつぶやきです。

踊り場に差し掛かった株式市場

東京市場は日経平均2万円にタッチし、達成感から翌日は早速下落しました。2万円タッチがちょっと遅かったですが、おおむね想定通りです。アメリカ市場も決算の「悲喜こもごも」があと10日ぐらい続きます。1-3月はどんな数字が出ても驚かないのですが、問題は各社がどんな先行き見通しと対策を持っているかがキーになると思います。

写真AC

市場は今、ネタ探しに躍起になっています。コロナネタ以外という意味です。盛り上がらない大統領選も問題です。「昔の名前のバイデンさん」ではトランプさんとスキャンダル合戦みたいな状態で国民は今はそれどころではない、どっちでもいいという投げやり感すらあるかもしれません。

東京市場はもっとつまらない状況で原油ETFが売買代金上位に顔を出す状況で個別銘柄は決算とゴールデンウィークを控え、先行きが読めないというのが正直なところでしょう。5月4日にも発表される緊急事態宣言の延期、そしてそれが5月末までとなる可能性を考えると株どころではないのかもしれません。個人的には緊急事態宣言の延長はともかく、エグジットプランをそろそろ見せないと企業も国民も疲弊してしまうと思います。

金正恩氏、現る???

20日間も姿を見せず、何の発表もない金正恩氏の動静は大きな注目でありましたが5月1日に肥料工場の竣工式に訪れてテープカットをしたと報じられました。ただ、どうしてもこの報道を鵜呑みにできないのは国営通信が伝えたとありその信ぴょう性が不明瞭なこと、肥料工場のテープカットならなぜ同日の北朝鮮で重要イベントとされるメーデーの方に出なかったのか、はたまたトランプ大統領が金委員長の動静が伝えられたこと受け「まだコメントは控える。適切な時期にする」と述べている点などが今一つスッキリしません。

同氏がコロナを含め何らかの病にかかっていた可能性は大いにありますが北朝鮮にコロナはないと公言してきたこともあり、コロナにかかったとは言えず、つじつま合わせをしているのでしょうか?今しばらく、情報を吟味する必要があるような気がしますが、事を荒立てないようにしながら何か水面下で進んでいるように見えます。いくつかあるシナリオを消去するにはまだ早いと考えています。

国際関係の綱引きも興味深いものがあります。仮に金委員長が何らかの形で指導力を失った場合、同国が正常化するまで国際的共同統治をすることはあり得るとみています。不要な軍備増強による国内経済の疲弊を改善し、回復軌道に乗せるのに3-5年はかかるでしょう。

そうなれば好む好まざるにかかわらず、日本も参加することになるとみています。理由は否が応でもの復興支援で日本政府は巨額、数兆円かあるいはさらに一桁上の支援金を拠出せざるを得ないのではないでしょうか?その点からはトランプ大統領とのパイプは日本政府にとっては頼みの綱になります。一方で韓国、文大統領の野望はある意味遠くなったような気がします。文大統領が一連の報道に沈黙なのも気になります。

まだご健在だったキヤノン 御手洗会長

驚きました。キヤノンの御手洗冨士夫会長が社長を兼任すると発表しました。御年84歳。経団連会長を歴任、ラグビーワールドカップ組織委員会委員長、オリンピック組織委員会の名誉会長でもあります。今回は現社長の病気療養の必要性からピンチヒッターとして次の社長が決まるまで短期間リリーフを行うようです。

キヤノン公式サイトより:編集部

御手洗会長はアメリカ駐在23年という異色の経歴で平社員で赴任し、キヤノンUSAの社長にまで上り詰め、95年にキヤノン本体の社長になっています。90年代、私は御手洗会長にぞっこんほれ込んでいて日本の国際派の経営者では最右翼という位置づけでした。残念ながらその感覚が日本では受け入れられなかったのか、稲盛和夫氏のようなポピュラリティはありませんでした。

多分ですが、君臨しすぎなのだと思います。そこまで自分でやるか、というところが組織を奮い立たせられなくなっており、稲盛さんの真逆にあるのかもしれません。私が驚いたというのはキヤノンほどの組織がある会社で84歳の御大が「降臨してくる」事実です。社員さんはさぞかし震え上がり、萎縮するのだろうなと思います。それとも組織の刷新が進んでいないのか、いずれにせよ名門キヤノンよ、おまえもか、と嘆きも入るのかもしれません。

後記

パチンコ狂騒曲を見ていて思ったこと。両替所を閉鎖すれば誰も来ないのにな、と思います。一方、パチンコファンの名誉を考えるなら台は一つ置きにしているようですが、更に台と台の間にアクリル板の仕切りを入れ、マスク常時着用ならやらせられなくもないと思うのです。前にも書きましたが日本は勧善懲悪型でall or nothingすぎないでしょうか?人々に創意工夫をさせないのです。ポストコロナを考えるには新しい発想を取り込む流れが必要だと思います。

では今日はこのぐらいで。
日本の皆さんはゴールデンウィーク真っ只中になりますが、どうぞStay safe で。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年5月2日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。