セブンイレブンは、なぜセルフレジを導入しないのか?

内藤 忍

牛丼チェーンは吉野家以外はほとんど行かない。それと同じように、コンビニエンスストアはセブンイレブンの利用が圧倒的です。そんな、セブンのロイヤルカスタマーとしてずっと不思議に思っているのは、セブンイレブンにはなぜセルフレジが無いのかです。

調べてみると、いくつかの実験店舗でセルフレジを導入してその効果をチェックしているようです。しかし、本格的に店舗に導入するというニュースは見つかりませんでした。一方、競合のローソンは、2020年4月末時点で約4500店舗に導入されています。2月末からわずか2ヵ月で2.5倍というペースです。

私の自宅の近所でも、ローソンにはセルフレジが、3台導入されています。クレジットカードであれば、スムースに会計ができてとても便利なので、時間が無い時はこちらを利用するようになりました。セブンイレブンは、相変わらず対面のレジだけしかありません(写真)。

セルフレジは、そもそも省力化による人出不足解消のために導入されたものですが、新型コロナウィルス感染拡大でその必要性は急激に高まっています。従業員と来店者の感染拡大リスクを回避するには、対面のレジの比率を下げていくことが効果的です。

いつも利用するセブンイレブンには、朝の通勤時間やランチの時間帯には、今でも長いレジ待ち行列ができています。店内にいる客数が増えて、店舗滞在時間も長くなってしまいます。利用者からすると、時間がかかり非効率なだけでなく、感染の不安も高まりストレスになります。

セブンイレブンは充分な効果検証をしてから、一気に導入を開始するつもりなのかもしれません。しかし、こうなってくると、完璧なシステムを完成させるよりも、時間優先で、セルフレジの導入を急いだ方が良い。これは素人考えでしょうか。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年5月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。