「三密の回避」は「日本モデル」の象徴

篠田 英朗

nagi usano/flickr

緊急事態宣言が終了し、「日本モデル」が何だったのか?という議論が盛んになっているようだ。私はかねてより、専門家会議尾身茂副座長が繰り返しているように、「クラスター対策、医療体制、国民の行動変容」の三つの領域に特徴がある、と指摘している。

緊急事態宣言延長で問われる「日本モデル」その強みと弱み(現代ビジネス)

これら三つの領域の活動が横断的に重なって成立しているのが「三密の回避」だ。保健所が積み上げたデータを、専門家層がクラスター分析につなげ、効果的な国民の行動変容を導き出した。

緊急事態宣言延長で問われる「日本モデル」その強みと弱み(現代ビジネス)

専門家会議委員/クラスター対策班の押谷仁・東北大学教授は、この「日本モデル」の司令塔だろう。雑誌『外交』最新号に掲載されたインタビューは「日本モデル」の最適なガイドになっている。

5月29日に公表された専門家会議の「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」に「補論」として収録された「我が国のクラスター対策について」は、押谷教授の監修と推察されるが、非常によくできている。

そこでツイッターで外務省の広報費か何かで、せめてこの『補論』だけでも英訳できないものか、とつぶやいたところ、公衆衛生の修士号を持つ英語・日本語堪能だという匿名の方が、訳したものをメールで送ってくれる、という出来事があった。素晴らしいご厚意に感謝!!

私も微調整した翻訳版は、以下のとおりである。今後、海外(在住)の方で、日本のCOVID-19対策にご関心をお持ちの方がいらっしゃったら、使ってほしい。

Translation of the Explanation of Japan’s Cluster Response by Japan’s Expert Group