質問は「誰に聞くかが9割」

先日のブログにアップした「リアルな人体実験」ですが、転載されたアゴラ言論プラットフォーム(写真)でもアクセスが多く、2日経ってもアクセスランキングは1位。たくさんの方から、どこでできるのかと直接問い合わせが来ています。

一方で、ジムでトレーニングをやっている専門家の方にこの話をすると「やっぱりトレーニングで鍛えた方が良い」「一時的なもので持続性は疑問」といった否定的なコメントが返ってきました。

これは、考えてみれば当たり前です。トレーニングより即効性があることを認めてしまえば、自分たちのやっていることの価値が否定されかねないからです。

質問は「利害関係のある人に聞いてはいけない」と言うことです。

投資の世界でも同じです。フィリピン不動産を扱っている会社に「投資するならフィリピンとベトナムどっちですか」と聞けば、フィリピンと答えるに決まっています。

だから、誰に質問するかは慎重に考えなければいけません。質問は「誰に聞くかが9割」ということです。正しい知識を持っている人でも、正直に回答してくれないと、誤った結論に導かれてしまいます。

かく言う私も、投資の専門家として、個人投資家の方にできるだけ正確で中立な情報提供を心がけています。それでも、意図しないポジショントークによって、情報にバイアスがかかった情報を提供している可能性があることは否定しません。

後から後悔しない正確な情報を得るためには、1人に頼らないことです。

病気の治療の時に、セカンドオピニオン、サードオピニオンを取るのと同じです。出来る限り利害関係のない、信頼できる複数の人に意見を聞いて、最後は自分で判断する。

ただし、いくら多くの人の意見を集めても、聞く価値の無い人ばかりでは、正しい結論には、たどり着けません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年6月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。