虎ノ門横丁は「3密横丁」だから盛り上がる

内藤 忍

休日のランチタイムに、たまたま通りかかった虎ノ門ヒルズに寄ってみました。最近できた虎ノ門横丁という飲食街があり(写真)、面白そうなので入ってみようと思ったのです。

コロナウィルス感染防止の為、横丁入口ではマスクの着用とアルコール消毒が義務付けられていました。マスクを持っていなかったので、受付の女性からマスクをもらい、アルコール消毒をして入ることができました。

「横丁」と言うだけあって、狭い通路にたくさんのお店がぎゅっと詰まっています。お店のセレクションはユニークで、入ってみたいお店がたくさんありました。

まだ外出を控えている人も多いせいか、人出は思ったほど多くはありませんが、それでもデパートの催事場並みのかなりの人口密度です。

それぞれのお店にも、たくさんのお客さんが入っていました。ソーシャルディスタンスをとっている店もありましたが、全く無頓着に見える店もあります。

狭いテーブルに集まって、お昼から飲んで盛り上がっているグループも結構いました。飲食をしている間は、マスクもしていません。密閉空間ではなく、換気もしっかりしているのかもしれませんが、いわゆる「3密状態」に近いと思いました。

入り口での形式整備的な厳格なチェックと、入ってからの緩い感染対応。そのギャップが「なんだかなぁ」でした。

この手の横丁というのは、人がたくさん集まる猥雑さから魅力が生まれます。お祭りの露天に人がいないと寂しいのと同じで、ソーシャルディスタンスを意識したらつまらないのです。人間は「3密」を見ると気分が上がる本能があるのではないかと思います。

コロナウイルス感染者は東京では再び増加して、油断はできません。飲食店の運営方法はどうするべきか、難しい判断が続きます。意味のある感染防止対策とは何かを、情報収集した上で、自分の頭で考えて行動しなければならないと改めて感じた雨の日曜日でした。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年6月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。