東京都知事選(7月5日投開票)に立候補中の宇都宮健児氏(無所属、立憲民主、共産、社民推薦)が25日、自らのYouTubeチャンネルで元文部科学省次官の前川喜平氏とのZOOM対談の模様を公開した。宇都宮氏が対談の中で前川氏を副知事に“指名”し、ネット上で波紋が巻き起こる一幕があった。
前川氏は官僚時代は一貫して“面従腹背”だった心境を振り返り、宇都宮氏とは国旗国歌法制定について批判的に語り合うなど“反権力トーク”で冒頭からすっかり意気投合。そして1時間近くに渡って教育政策を中心に意見交換した。
終盤、宇都宮氏はまとめに入った司会者を遮るように「お話ししたいことがある」と切り出すと(※動画の59分55秒ごろ)、「(前川氏は)本当に教育に関して深い知見をお持ちだと改めて感じました。私たちの選挙の陣営ですが、前川さんのような方に副知事になってもらったら東京都の教育行政は大きく改善することができる、と期待を持っている方がたくさんいます。いかがでしょうか」とラブコールを送った。
これに対し前川氏は「考えさせてください」と苦笑まじりに反応しながらも、「それは大変ありがたいお言葉ですよね。大変検討に値するお話ではないか」と満更でもない様子だった。宇都宮氏は「教育問題は日本全国にとっても重要だし、都政にとっても非常に重要な課題。将来の日本を背負っていく子どもたちを育てる分野ですので、これからもアドバイスや助言をしていただけたら」と前川氏にご執心の様子だった。
このやりとりを、共産党の小池晃参議院議員が嬉々として紹介しながら「いいですねえ。チェンジ東京」とツイートすると、ネット上の関心が急上昇。
小池氏へのツイートには左派系のネット民が
ほんとにお二人で実現して頂きたい
さすがに宇都宮候補。すばらしい人選と見識ですね。
などと歓迎してみせたが、大半の反応はというと…
革命教育でもやるのですか?
東京都を滅ぼしたいなら、この人選だな。
あまりにもベストマッチで笑いが止まりません
と皮肉たっぷりに言及する人や、
女の子限定の貧困調査に期待大ですね。
この副知事なら歌舞伎町が大繁盛しそうですね
などと、かつて前川氏が退官間際に物議を醸したスキャンダルを蒸し返す人たちも続出した。
前川氏を巡っては、都知事選で野党候補として名前がたびたび浮上していたが、前川氏が固辞(※時事通信 5月25日)。立憲民主党は、前川氏以外に、山本太郎氏の野党共闘で擁立を模索したが、山本氏と消費税減税をめぐる公約で折り合わずに決裂。現職・小池百合子氏の圧倒的な存在感を前に独自候補を擁立できないまま、宇都宮氏が3度目の出馬を表明。立憲民主は、これを追認する形で推薦を出している。