黒坂岳央(くろさか たけを)です。
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オレはフルーツギフトショップ・肥後庵というネットショップを運営している。最近はネット販売だけでなく、全国の郵便局においてある通販カタログに商品を取り扱ってもらうなど、販路を広げながらビジネスをしてる。
さて、最近「コロナの巣篭もり消費でECビジネスに追い風!」みたいな記事をよく見る。ああ、オレ自身がメディアの取材を受けて「巣篭もり消費はたしかに感じるね」と答えた。
この話を聞いて「この野郎、お前だけウハウハになりやがって!」とオレに嫉妬する必要はないぞ。なぜなら、「コロナでECビジネスに追い風」とメディアがこぞって取り上げるけど、苦戦している部分も割とあるからだ。多分、他のEC事業者は見栄とプライドがあるから、普通はこんな話はしないだろう。けど、オレは本音でこのテーマを語らせてもらう。
コロナでメチャメチャにされる商品配送
コロナの影響で一番困っていること、それは配送だ。
日本全国にフルーツギフトを毎日配送しているんだけど、配送をしてくれる配送業者の拠点でコロナ感染者が出ると、「悪い、しばらくこの地域配送無理になった」と連絡が来る。
ウチが取り扱っている商材は「フルーツ」というナマモノなので、長期保存は無理ゲー。ギフトで送ることがほとんどなので、お届け希望日にも遅れるわけにはいかない。配送不可になると、慌ててその地域の別の配送業者に配送をスイッチすることを余儀なくされる。当然、コストもかさむし、現場ではオペレーションに混乱も出る。
日々、山のように商品を発送しているけど、「すまん、コロナ感染者が出たから配送できなくなった」の連絡が配送業者さんから入ることにビクビクしちまう。それに追い打ちを受ける形で、夏の熊本豪雨によって、配送不可地域も増えた。
コロナめ、許さんぞ。
法人は軒並み、お中元自粛
上述のYahooニュース掲載された取材で語ったとおり、コロナによる巣篭もり消費はガチ。「今年は会いに行けないから、フルーツにありがとうを伝えてもらいます」のような送り方をしている人が結構いる。個人のお客さまの需要はありがたいことにかなり伸びてる。実際、母の日、父の日はさばききれないほど注文が来たな。
けど、法人のお中元需要がナイアガラの滝状態w どこもかしこも企業はコロナ禍による予算縮小で、お中元送らないのよね。この影響で、うちの会社の存続が危ぶまれるレベルにはならないけど、お中元は一年で一番の商戦だっただけにこれは痛かった。ま、しゃーない。
「巣篭もり消費でECビジネスはウハウハw」…ほんと?
「ネット通販で物販を扱う企業は、コロナの巣篭もり消費でウハウハでしょw」と取り上げるメディア記事は鵜呑みにしてはいけないと思う。
商品を配送する業者でコロナ感染者が出て、拠点閉鎖するというのはすべての配送業者に関係している話だから、ネット通販会社はみんなこれにはハイパー困っているだろう。まあ、一番大変なのは商品を配送する業者の担当者なんだが。
さらには法人のお客さまを相手にする場合だと、予算縮小の影響も確実にある。なんせ、大手航空会社は1,000億円以上の赤字、という世紀末な決算になっているし、今後は個人消費も分からない。
コロナ禍によるカオスが一日も早く過ぎ去りますように。心から祈りまくりながら筆を置く。