こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
いやあ、びっくりしました。
国民民主、分党へ 玉木代表が表明―立憲との合流、自身は不参加(時事通信)
党名で譲歩した立憲民主党側に押し切られ、孤軍奮闘もむなしく「帰ってきた民主党」に合流するかに思われていた国民民主党ですが、玉木代表が漢を見せて「分党」を宣言しました。
玉木議員が率いる「ネオ国民民主党(仮)」にどれくらいに議員が集まるかわかりませんが、
・「(共産党と協力する必要がないほど)選挙が強い」衆議院議員たち
・選挙がまだ遠く、元から立憲民主党と確執のあった参議院議員たち
でそれなりの議員数の参加が見込まれ、政党要件(5名以上)を満たすことは確実視されているようです。
完全に左旋回した旧社会党のような政党が誕生したところで、政権交代はできないのは当然のこと、政策論争にとって1ミリも得はないので、政界全体としてもこの分党決断はプラスに働くのではないかと思います。
玉木代表の決断は、現時点では確かに茨の道でしょう。
しかし前回の衆院選の際も、当初は小池知事が立ち上げた希望の党が「勝ち組」で、そこから排除された枝野代表らが立ち上げた立憲民主党は完全に「負け組」と目されていました。
ところが「筋を通した」枝野代表にはことのほか民意が集まり、野党第一党へと躍進したのは記憶に新しいところです。
いまや、そのときの「永田町の数合わせには与さない」と言っていた影も形もありませんが…。
なので今回の玉木代表の決断は、もしかしたら「大化け」する一手になるかもしれないなと感じるところです。
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そしてこの永田町再編は、ややもすると安倍政権の存続と憲法改正に大きな一石を投じる可能性があります。
玉木代表も、それと足並みを揃える山尾志桜里議員も、少なくとも憲法改正論議そのものには非常に前向きです(憲法論議はもちろん、9条に限らない)。
与党+維新に加えて、従来は「護憲派」のくくりにいた民主系の政党が改憲議論に前向きになれば、停滞気味だった国会での審議に火がつく可能性は大いにありえます。
そして憲法改正への流れが動き出せば、レームダック(死に体)になっていた安倍政権が息を吹き返すという展開まで見えるのでは…と、個人的には色々と想像が膨らんでいます。
また、はっきり言って経済オンチの集団である立憲民主党と一線を画し、減税などの政策論議が正面からできる勢力が国会に増えることも前向きな材料です。
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これによって秋以降の国会論戦も、衆議院選挙の行方もより一層に不透明になりました。そもそも多額のカネが絡むこの分党騒ぎが決着がつくまで、もうひと悶着もふた悶着もありそうですが…。
仮に精鋭たちによって政策論争ができる提案型の政党が誕生するとすれば、そこに負けない善政競争ができるよう、我々もさらに政策提案に磨きをかけておきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年8月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。