なぜ国や東京都は、新型コロナの対策が遅いのか?

田原総一朗です。

「現代ビジネス」の企画で、先日久しぶりに舛添要一さんと対談した。
テーマはもちろん、国や東京都の「新型コロナウイルス」対策についてである。

田原氏(公式写真)、舛添氏(東京都サイト)

舛添さんは東京都知事を務めたが、それ以前に厚生労働大臣として、2009年に大流行した新型インフルエンザの終息に奔走した経験があるのだ。

舛添さんは、

「すべての対応が遅すぎます。まず東京都は、基本である情報公開がまったくできていません。
検査数がいくつで、感染者数が何人というデータが明確ではない。それは情報収集をファクスでしているから、いくらでもごまかしが効きます」

と、もどかしげに話し出した。

そして、

「検査を徹底して、感染者を隔離する。これはペストの昔から、感染症予防の鉄則なのですが……」

と。それは、日本という国の、「構造の問題」だとも言う。

マスコミに登場するのはもっぱら西村康稔経済再生担当大臣であり、本来の「担当」であるはずの
加藤勝信厚生労働大臣は、ほとんど表に出てこない。

「本来、こうした非常事態のときは、権限を集中させなければ、だめなんです」

と、舛添さんは言う。たしかに、戦争のとき、2人親分がいたら戦いづらいに決まっている。

もう1点は「特措法」である。
2009年の新型インフルエンザ大流行を踏まえ、2012年に「新型インフルエンザ等対策特別借置法」が生まれている。
2020年3月には、この法律を今回の新型コロナにも適用するという改正を行い、施行しているが、対応しきれていないのは明白である。

舛添さんは、

「すぐに国会を開き、新法を作るべき」

と明言した。
改めて、舛添さんのシャープさに引き込まれた。

そもそも、国際政治学者である舛添さんに、「朝まで生テレビ!」に登場いただき、結果的に政治の世界に引っ張り込んだのは、私である。

都知事辞任後ずっと気になっていたが、今回、元気な様子と、相変わらずの鋭さを感じられて、とてもよかった。

そして改めて、国際政治学者として、米中関係、そして日本とアメリカ、中国との関係を聞いてみたいと考えている。

※この対談の詳しい内容は、後日「現代ビジネス」にアップされる予定です。


編集部より:このブログは「田原総一朗 公式ブログ」2020年8月28日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた田原氏、田原事務所に心より感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「田原総一朗 公式ブログ」をご覧ください。