BRTはメトロより快適で利便性の高い公共交通機関になれる

以前、東京の郊外に住んで毎日通勤していた時は、バスで通勤するのが快適でした。

(晴海BRT:公式サイトより)

世田谷や目黒のターミナルまでのバス便の始発駅の近くに住み、渋谷駅や目黒駅まで15分から20分くらいバスの車内にゆっくり座って、書籍の執筆などを行っていました。

私がメトロよりもバスにメリットを感じるのは、階段や改札が無く乗降が簡単で、地上を走って気持ちが良いことです。大江戸線のようなメトロはホームに行くまでに時間がかかり過ぎで非効率です。

また、バスの方が小回りが効きますから電車よりも運行本数を増やすことが簡単にでき、利便性を高められる柔軟性があります。

しかし、バスは渋滞で時間が不定期になったり、雨の日に遅れたりするデメリットがあります。

(日本経済新聞から)

日本経済新聞が報じているように、10月から虎ノ門ヒルズ〜晴海間で実証実験が始まるBRTは、そのようなバスのデメリットを解消する新しい交通手段になる期待がありました(図表も同紙から)。

ところが、当初の実験では、スピードアップのための信号との連動も見送り、連結FCV車両の導入もなく、チケット券売機の設置も間に合わず、築地付近の道路の立体交差の工事が終わらない・・・準備不足が目立つスタートになりそうです。

そんな、ないないずくしのスタートとなりますが、今後改善が行われれば、メトロよりも低コストで、極めて魅力的な交通手段になる可能性があると思っています。

中央区では新たに地下鉄建設の必要性を唱える人もいるようですが、まずはBRTの整備をしっかり行い、魅力的な神交通手段として定着させることを優先すべきと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年9月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。