学術会議:与野党は「蓮舫式」でゼロベースの議論を

八幡 和郎

日本学術会議(Wikipedia)

日本だけは軍事研究をしてはならないという声明を出し、それを全国の研究者に要求するようなことが学術会議の本来の目的に沿わないことは明らかだ。

制度の廃止も含めた見直しを議論すべきかもしれないが、まずは、自主的な改革を促したということで、ある意味では穏当な措置ともいえる。学術会議が不当と思うなら今後の制度のあり方をゼロベースで国民に問うべきということを政府に提案したらどうだろうか。諸外国の制度とも比較していい方向が見いだせるだろう。

日本の防衛のための研究を拒否する大学、組織、研究者は外国政府や外国の軍事研究に関与したり軍人を学生として受け入れている大学、組織、研究者と交流を拒否されるのが筋だと思うが違うのか。

学術会議問題もこのあたりをしっかり踏まえて議論するいい機会だ。私は大上段に理念を議論する方が好きだから、“菅内閣流”の事実の積み重ねで解決する方法は好みではないが、少なくとも日本の国のための軍事研究だけを妨害したり、学術と関係ない政治問題にきちんと線を引かなかったりした学術会議の方に時間的には先に落ち度があると思う。

政府を批判する人は、学術会議のあり方をきちんと議論しゼロベースで見直すということは受け入れられるのだろうか。それを学術会議が受け入れて、政府が拒否するなら学術会議を応援するし、学術会議が拒否なら政府を応援する。

懐かしきVR蓮舫(当時のニコ生より)

ぜひ、与野党で学術会議について、蓮舫さんがかつてやったようにゼロベースでその必要性やありかたについての問題を議論していただきたい。学術会議の自主性を重んじるにせよ、あるいは、あり方を変えたり存廃も含めて組織見直ししたり、立法措置を必要に応じてとるべきだと蓮舫さんは主張されればいいのではないか。

最後に大学との絡みで、孔子学院問題についても触れておきたい。孔子学院が国際的に工作機関として見られるようになっているのは誰でも知っている。

政府もメスを入れることを検討すべきだが、それ以前に、各大学で自主的に自浄作業が必要だ。創設したときは大丈夫だと思ったと強弁しても、2020年の秋にはそういう弁解は通じないのだから、速やかな行動をとられたほうがいい。