こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
26日の夕刊で毎日新聞が突如、
大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算
という記事を報じ、朝日新聞や果てはNHKまで後追い報道をするという事態が発生しました。
しかしながら本件については、
・「市試算」と報じられながら、決裁を経た市の公式見解ではまったくないこと
・財政局の担当者(?)が試算したものは、政令市を4つに分けた場合のものであり、4つの特別区を設置する「都構想」とは無関係な内容であったこと
がほどなくして明らかになりました。
(市財政局提供の資料より抜粋、赤線筆者)
これを「市の公式見解・4つの特別区が設置された場合(大阪都構想)の試算」であるかのように報じた報道機関の責任は極めて重大であり、住民投票の結果を左右しかねない大誤報であると断じざるを得ません。
私がその点を指摘したところ、なんとNHKは「しれっとタイトルだけ変更する」という極めて不誠実な対応をとりました。
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さらには27日夕刻、大阪市も報じられたコスト増をきちんと否定する見解を公式に発表したのですが、
これに対してもNHKは、「大阪市側が途中で見解を変えた」かのような報じ方をしています。
しかし上記で述べてきた&資料も掲載しているように、市財政局(の一部担当者?)がマスコミに回答・資料提示したのは当初から「政令市を4つに分けた場合」の試算です。
だからこそ、第一報を報じた毎日新聞はタイトルを「大阪市4分割なら~」と回りくどい書き方をしているのでしょう(記事の中身は間違いだらけですが)。
一方でNHKは「特別区でコスト増」と完全に間違ったタイトルで報じ、その後に自分で誤報に気づいたからこそ、タイトルをしれっと後で訂正しているわけです。
にもかかわらず、途中で市が見解を変えたかのような報道はいかがなものでしょうか。住民投票を左右するかもしれない情報を間違って出しておきながら、公共放送としての誠意や矜持はないのでしょうか。
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本件のついてはメディア報道の問題の他にも、
・市財政局のいち担当者が、決裁を得ずに住民投票の最中に誤解を招く試算を外部に出したこと
・報道前の10月23日の時点で、共産党の山中市議が「218億円」という正確な数字を把握していたこと
など、不可解な点が多々あります。
再編の対象となる大阪市役所の職員は、もはや住民投票における最大の利害関係者の一人であり、だからこそ情報発信には誰よりも注意を払わなければならない立場のはずです。
この絶妙なタイミングでこうした情報戦争が仕掛けられたことに、深い深い闇を感じます。
大阪都構想の住民投票は、こうした古いしがらみを振り払い、大阪と日本を前にすすめるための改革です。
今回の誤報で受けたダメージは小さくありませんが、残すところ5日間、誠実に事実に基づいた説明を尽くして「賛成」の輪を広げてまいります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年10月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。