こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
11月3日は区政功労者表彰式に出席→長女(小6)の模試へ同伴→炊事と、住民投票モードを終えて徐々に日常復帰(?)をしつつあります。
今週は参議院でも予算委員会が始まり、臨時国会モードに頭を切り替えていきたいところです。
さて、そんな中で目にした驚きの報道。
先月行われた愛知県岡崎市長選挙。「鉄板」と思われた現職に対して、「5万円を市民に配ります!」という公約を掲げた新人候補が番狂わせで勝利。
結果、財政調整基金のみならず、インフラ整備などに向けて積み立てたすべての基金を取り崩して現金給付に当てる方向で施策が進んでいるようです。
「税は財源ではない」
云々というMMT的な議論はここではさておき、実際問題として中央銀行&貨幣発行権を持たない地方自治体の財政運営は極めてシンプルかつシビアです。
いくらコロナ禍で積極財政が必要とはいえ、「特定市域だけ・現住民に5万円を・将来の貯金を潰して配る」という施策は、いくらなんでもポピュリズムがすぎるのではないかと率直に感じます。
もちろん、今回落選した前市長にもハコモノ行政などの問題点があったという声もありますし、この現金5万円給付だけで新市長が当選したわけではないと思いますが、これは民主主義を考える上で深刻な論点です。
誰もが「子どもたちのため」と口では言いながら、現世利益が最優先される。
個人としての最適解が全体最適とは限らない中で、リーダーが現世利益におもねる社会の未来は明るくないように思えます。
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これをシステムとして回避するためには、どうしたらよいか。その一つが、私もかねてから度々とりあげている「ドメイン制度(ドメイン投票方式)」です。
参考過去記事:
「義務投票」導入の前にやるべきことがある!世代間格差を埋める「ドメイン方式」にぜひ注目を
【東京都議会議員おときた駿氏 特別寄稿】世代間闘争は回避不可能?!破綻を避ける唯一の方法は、選挙制度改革にある!|みんなの介護ニュース
今回の岡崎市の例でも、子どもを育てる世代が将来の公園・文化施設整備の基金まで取り崩して5万円支給に賛成するかと言えば、その可能性は比較的低いと考えられます。
大阪の住民投票…は、ここで例に引くのはやめておきましょうか(苦笑)。
もちろんこの「ドメイン制度」を導入すること自体、法改正が必要であり、相対的にパワーダウンする高齢者層の反発が予想されることから極めて困難な道のりが予想されます。
ただ、これくらい抜本的な改革を遡上にあげてやりきらない限り、高齢者の比率がこれほどまでに増えてきた・民主主義社会が当初想定していなかった事態を乗り切ることはなかなか困難ではないかと思います。
ドメイン制度については折に触れて取り上げて世論喚起に努めるとともに、個人としても党としても政策として検討を続けていきたいと存じます。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年11月3日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。