こんにちは。個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。
秋に受けたテスト結果が返ってきている頃ですね。6年生に限らず、5年生以下でも、ここで偏差値が下がった場合、気になってしまう方は多いと思います。いたって自然な反応です。
ただ、その後の学習を有意義なものにするためには、そのときのお子さんとの接し方が大切です。
そこで今回は、悪かったテスト結果を次回以降に活かすための親としての対応の3ステップをお話しします。
1 心構え
テストの結果が良くなかったとき、がっかりしているのは親だけではありません。当然本人もがっかりしています。
一見普段と変わらないように見えても、実は心の中で、
「怒られたらどうしよう」
「お母さん(お父さん)を悲しませてしまう」
と思っていることがほとんどです。
ですから、まず心掛けていただきたいのは、叱ったりあからさまに落胆したような態度を見せたりしないということです。
そうした態度をとってしまうと、本人のつらい気持ちに追い打ちをかけることになる上に、叱られたり悲しまれたりするのを恐れるあまり、「わからない」「できない」の意思表示をその後の学習で正しく行えなくなる可能性もあります。
本来「バツは宝物」であり、「わからない」を「わかる」にすることが成績アップへの道ですから、上のようになってしまうと成績を上げるのは難しいですよね。
決して感情的にならず、まずは子どもの気持ちに寄り添うようにしてください。
ただし、「頑張ったんだから仕方ない」というような慰めの言葉は、時としてモチベーションを下げることになるので注意が必要です。報われなかった努力を褒められることで、人はかえって自分の無力さを認識するためです。
一番のオススメは、「そっか、残念だったね」といった共感の言葉です。まずは共感の言葉で「あなたの味方だよ」という立ち位置を明確にして、共に改善に向けて取り組む姿勢を見せてあげると、本人も頑張ろうという気持ちになるでしょう。
2 分析
さて、次はテスト結果の分析です。
一緒にテストを分析するときには、どのような間違い方をしているかをしっかり確認することが大事です。間違い方、ミスの仕方にはいろいろなタイプがあります。
- 全くわからなくて間違えた(あるいは空白で出した)
- わかってはいたけれど、ケアレスミスをした(計算間違い、写し間違い、漢字間違いなど)
- 時間が足りなくなって焦ってしまった
- 字が汚くて採点者が読めなかった
など。
失点の原因は本当に様々です。これをお子さんにヒアリングしてみてください。
そして、本来の力が発揮されていたならば、あと何点とれたのか計算してみましょう。 「本当はもっと良い点がとれる」ということを確認するのはとても大切なことです。
ここでも、決して責めるような口調で言うのではなく、本人の悔しい気持ちに寄り添うことを意識してください。
「惜しい間違いがいっぱいある。本当はこんなに力があるのにもったいない」
「今度のテストでは、このすごい力を十分発揮できるように準備しようね」
といった形で、未来の良い姿をイメージできるような声かけをしてあげましょう。その言葉で本人の気持ちは救われますし、課題点の克服に向けて前向きな気持ちになることができます。
3 対策
分析ができたらあとは対策です。分析から判明した課題を克服するためにはどうすればよいか、具体的な行動を一緒に考えましょう。 これも一方的に「やれ」と伝えるより、お子さんと一緒に考えて決めた方が良いでしょう。
分析の結果、おおむね実力通りの点数だったのなら、「弱点分野が明らかになったので、そこを順番に補強していこう」と声をかけ、過去のテキストや問題集を使ってさかのぼり学習をしましょう。
その際、塾で教えられた解法が実は理解できていなかった、あるいはカリキュラムや進め方が合っていなかったなどということがわかれば、そこは率直に塾に相談するべきです。
授業中のノートのとり方を改める、宿題の量を削ってやる問題を絞り込む、など、普段のルーティン学習を見直すことで、良いサイクルに入れる可能性があります。
一方、ミスが多かった場合には、テスト時のミスを減らすための工夫を普段から意識するとよいでしょう。
- 問題文をこれまでより少し時間をかけて読むようにする
- 何をどんな形式で答えなくてはいけないか注意して解答する
- (主に算数で)1問1問を解いた直後にサッと計算過程を見直す
みたいな工夫です。
時間がなくて焦ってミスをしたという場合には、時間配分も普段から意識するとよいですね。
例えば今の時期の5年生以下の算数のテストなら、最後の方の大問以外は解法を知っているかどうかの勝負です。1分考えて解法が思いつかなければ、もしくは3分考えて答えが出せなければ、飛ばしてしまった方が賢明です。
普段の宿題や小テストもこうしたルールを決めて解くことで、テスト本番で結果を出しやすくなるでしょう。
以上、テスト結果が悪かったときの対応についてのお話でした。
ポイントとなるのは、
- 親は子どもを応援し、子どもに寄り添う立場にいること
- きちんと状況を分析し、前向きに改善に取り組むこと
です。
振るわなかったテスト結果を前にして落ち着くのはなかなか難しいものですが、結果は結果として受け止めて対応するのはとても大事なことです。
わざと悪い点を取ってくる子どもなんていないのですから、子どもを信頼して、前向きな声掛けをしてあげましょう。
そのためには、日頃からちょっとした子どもの良いところを褒めるなど、親としても子どもの褒めポイントを探す訓練をしておくと良いですね。
ぜひ、親子で充実の秋から冬を過ごしてもらえればと思います。
それでは!