上昇相場でも個人投資家が「儲けられない理由」

ビットコインの価格上昇で、仮想通貨に対する個人投資家の興味が急速に高まっています(画像はコインチェックから)。

不思議なのは、ビットコインの価格が30万円まで低下したときは「仮想通貨は終わった」と見向きもされなかったのに、今回のように200万円近くまで上昇してくると、購入したくなる人が増えてくることです。

これは株式でも同じです。コロナショックで3月に日経平均が16,000円台まで下落したときは、株式に対する悲観的な見方が、広がり投資マインドは萎縮してしました。ところが、その後の上昇で日経平均が25,000円を超えると、にわかに株式投資を始める人が増えてきたのです。

価格が下がる時に買って、上がったら売らなければ儲からないのに、価格が上がると購入して、価格が下がると何もできなくなってしまう。

このような個人投資家の行動から分かる事は、感情的にタイミングを考えて投資をすると「高値づかみ」になってしまうことです。また、値下がりして割安に購入できるタイミングになっても、チャンスを見逃してしまう。

そんな個人投資家の失敗を防止する方法が「ドルコスト平均法」です。

自動的に毎月決まった金額を積み立てることで、高値づかみを防止することができます。

ドルコスト平均法は錬金術ではありませんが、感情的に取引をするよりは良い投資結果をもたらす可能性が高い投資手法です。

株式投資も、仮想通貨投資も、積み立てを使って淡々と継続する。最終的にはこのような投資を継続できる個人投資家が1番良い結果得られる。これは、金融機関で25年以上仕事をして、資産運用に30年以上関わった自らの経験から確信していることです。

仮想通貨や金融資産以外の投資対象も含めた合理的な投資手法については、セミナー&ワークショップでお話しています。こちらは今週末で終了し、来月からは第12期の本講座がスタートします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年11月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。