人生の「3つの坂」それぞれでやるべきこと

人生には3つの坂があるといわれます。「上り坂」「下り坂」そして「まさか」です。それぞれにどう対応していくかによって.クオリティ・オブ・ライフが変わってきます。

まず、上り坂では奢(おご)らないこと、慢心しないことです。仕事もプライベートもうまくいくと、調子に乗って生活が派手になったり、傲慢になったりする。このような行動の変化は、とても危険です。

うまくいけばいくほど「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉の通り、謙虚な姿勢が大切です。自分が成功したとしても、それは自分自身の力だけではなく、周りの人たちのサポートあってのものだと、自信過剰にならないことです。

逆に下り坂では、悲観しないことが大切です。思うようにいかず改善の余地がたくさんあるという事は、裏を返せば伸び代が大きいということ。ピンチは成長のチャンスと考えることで、腐ることなく地道な努力を続けることができます。それが、将来の上り坂につながるのです。

3つ目の「まさか」といえば、昨日の朝、私の住んでいるマンションの地下で火災が発生しました。室内に警報が鳴り響き、消防車が数十台で消火する騒ぎでしたが、幸い昨日夜に鎮火し、住宅への被害はありませんでした(写真)。

しかし、今回「まさか」の準備をておくことの大切さを、再確認することができました。

具体的には、まずリスク管理の重要性です。自宅に保管している大切な書類は、貸金庫に保管しておく。また万が一自宅が全焼してしまっても、復旧対応できる体制を作っておくことです。

そして、もう1つは何より悔いのない毎日を過ごすことです。人生の一寸先は闇です。何があったとしても、それまでの事を後悔することのないようにしたいもの。

実は、私を含め、多くの人はこの3つ目の坂を過小評価しています。今回の出来事は、運命の神様が「まさか」への事前準備の重要性を親切に教えてくれたのだと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年12月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。