こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
1月12日、衆参両院での質疑を経て、緊急事態宣言が11都府県へと拡大されることが正式決定・発表されました。
菅首相会見 緊急事態宣言11都府県に拡大 対策への協力呼びかけ
しかしながら、今日の国会質疑にまたも菅総理が姿を表さなかった姿勢も含めて、ここ数日出てくる政府の特措法・感染症法の改正案など、政府のコロナ対応には首をかしげることばかりです。
特措法改正で「予防的措置」新設 首相、知事への指示権限―政府方針
緊急事態の手前に「予防的措置」なる概念を新たにつくり、緊急事態ですらないのに罰則付きで営業時間の変更を「命令」できる改正案。これにはさらに、首相が知事に「指示」できるというのですから驚きです。
入院させるベッド・病院がないという議論をしている中で、拒否者には懲役刑を想定とのこと。効果のほどは疑わしいですし、「優先順位が違う!」という声が上がるのも当然です。
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これまで国会で我が党を含め多くの政党・政治家が法改正すべきと声をあげていたにもかかわらず、尽くスルー。
ようやく重い腰を上げたかと思ったら、これまでの国会議論ではほとんど出てこなかった罰則案ばかりが先行し、政府案として上がってくる。
何が目的・意図なのかすらよくわかりませんし、まさに「やってる感」を演出する以外の効果は表れないのではないかと強く危惧します。
そしてこうした国民に負担ばかりを強いる罰則議論が先行する中で、相変わらず政治家についてはフグだのステーキだのと会食報道が続きます。
菅総理も記者会見で
「調査に協力していただけないケースが増えてきている」
と述べておられましたが、政治・政治家不信が蔓延すればその傾向には拍車がかかるばかりで、政治家が襟を正す前に「罰則」をもって対応しようとすれば、先行きは文字通りお先真っ暗な暗黒社会です。
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営業時間短縮、休業などの要請・命令に実行力をもたせることはかねてから我が党も提案してきたところですが、あくまでそれは緊急事態宣言下かつ、十分な補償が前提です。
その一部の主張のみを切り取って、罰則規定のみを先行させる議論をこのまま看過するわけにはいきません。
来週からはいよいよ国会論戦がスタートしますが、特措法・感染症法の改正が場当たり的で国民の反発ばかりを招く内容にならないよう、対案を提示して論戦に挑んでまいります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年1月13日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。