飲食店におけるネーミングの重要性

今週ランチで入った西新橋のカレーのお店は「ガン爺」という名前でした。インドの指導者ガンジーと頑固な爺さんを掛けた、思わずニヤリとするネーミングに惹かれてつい入ってしまいました。

ランチタイムは行列ができており、名物のチキンハッサンというのを食べてみました。スパイシーな私好みのさらさらのカレーで、気に入りました。

調べてみると、実はこの店以前は別の場所で「タージマハール」という名前で営業していた人気店のようです。カルカッタとかデリーのような、カレーのお店にありがちなネーミングよりも、ガン爺のようなインパクトのある店名の方が、不特定多数を引きつけます。

このお店の近くには、他にも「バリ男」「罪なたらすぱ」(写真)といったユニークなネーミングのお店がたくさんあります。

「バリ男」というのはとんこつラーメンのお店。バリ硬と呼ばれる麺を想像させる秀逸なネーミングです。また「罪なたらすぱ」というのは、最近出来た、たらこスパゲッティの専門店です。「鱈卵罪麺」というハンコが、何ともいい味出しています。どちらも、なんだか気になる店名ですが、グルテン100%のお店なので、今のところ入る勇気はありません(笑)。

お店のネーミングと言うのは、お料理や内装の雰囲気、スタッフのサービスと並ぶとても重要な要素だと思います。

もし、罪なたらすぱが、「たらこスパゲッティ専門店スズキ」みたいな凡庸な名前なら、入ろうと思う人の数はきっと少ないと思うからです。

もちろんネーミングが良くても、実質が伴っていなければリピーターにはなってくれません。奇抜なネーミングだけで、人気店になるほど飲食業というのは甘くは無いからです。

とここまで書いて、自らを振り返ってみると、銀座のワインバーのネーミングはかなりイケてない気がしてきました。

もともと不特定多数をターゲットにしたものではなく、常連のリピーターの人を想定して作ったお店ではあるものの、マーケティングのセンスはもう一工夫あってもよかったと、カレーを食べながら反省しました。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年1月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。